──唐沢さんはなぜ「リンゴ」に着目したのでしょうか。
唐沢:起業当初に行っていたブティック事業は、海外のビーガンファッション全般を扱っていました。その買付をする中で、植物由来のレザーを扱っているブランドがあることを知ったんです。
サボテンやパイナップル由来のレザー商品も取り扱ってみたのですが、やはりリンゴは日本人にとって親しみがあるのか、受け入れられやすい。そこで、イタリアのメーカーと交渉をして、オリジナルブランド「LOVST TOKYO」を立ち上げることにしたんです。
財布などの小物から、トートやリュックといったバッグまで展開しています。すべて現地のリンゴジュースの工場で出る絞りかすを乾燥させたものを石油由来の原料に混ぜてつくった、アップサイクルな合成レザーを使用した商品です。
右奥から時計回りに「Apple Naked Sacoche」(税込1万3200円)、「Apple Multi Wallet」(税込1万5400円)、「Apple Meow Collar」(税込5625円)
──互いに「レザー」を扱っていますが、ターゲットは違いますか?
渡辺:「サステナブル」を重視している方に刺さる、という点では重なっていますが、動物倫理の点では異なりますね。
唐沢:そうですね。僕たちは動物由来の商品を好まないビーガン層も、もちろん購買層ににはなりますので。とはいえ、日本ではまだビーガンファッションにこだわりを持つ人は少なく、日本市場だけでは成り立ちません。
ですので、ビーガンファッションに寄せすぎず、エコや環境に興味があり、ブランドの世界観を好きになってくれる方々にアプローチしています。実際の購買層は25歳〜35歳で、男女比は8:2で女性が多いですね。
渡辺:僕らのターゲットは幅広く、20代から50代まで様々です。ユニセックスなデザインのため、購入者の6割ほどが女性と、大きな男女格差はありません。
ディアベリーのお客さんは、「命を無駄にしない」「命に責任を持つ社会を作る」というブランドの想いに共感してくださっている方がほとんどです。その上でデザイン性も評価してくださる方が多いですね。