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2022.04.18

機械学習プラットフォーム「Dataiku」が年間収益180億円を達成

(c)Dataiku

オールインワンのAI(人工知能)・機械学習プラットフォームとして知られる「Dataiku(データイク)」が初めて収益を公開した。株式市場では、ソフトウェア企業の株価が急落しているが、同社は今後も利益より成長を優先させる方針だという。

Dataikuは3月20日、ARR(年間経常収益)が1億5000万ドル(約186億円)に達したことと合わせ、新たにCFO(最高財務責任者)を採用したことを発表した。同社が経営幹部を外部から採用するのは、これが初めてだ。

CFOに就任したAdam Townsは、MimecastのIPOに関わった後、直近ではアナリティクス企業のSisenseに勤務していた。今回の発表は、DataikuがIPOに向けて一歩前進したことを示しているが、その時期について経営陣は明言していない。

「我々は、Dataikuが市場において独立したプレーヤーであり続けることを目指している。長期的な視点に立って会社を構築し、将来どこかのタイミングでIPOを果たしたい」と、共同設立者兼CEOのFlorian Douetteauは述べた。

Dataikuは、2013年にパリで設立され、現在はニューヨークに本拠を置いている。同社は、ユーザーがデータを変換し、機械学習モデルに入力するための前処理を行うソフトウェアスイートを提供している。現在の従業員数は1000人を超え、その半数近くが昨年入社したメンバーだという。

同社は昨年8月、Tiger Globalが主導したラウンドにおいて、評価額46億ドルで4億ドルを調達していた。顧客数は450社で、主に大企業向けに販売しているが、昨年は中小企業向け製品をリリースした。

Dataikuの地域別売上高で最も大きいのは米国だが、構成比は半分以下だ。会社の発祥の地である欧州とアジアが急成長しており、全体の売上高は前年対比で60%増加したという。

競合では、「DataRobot」が、2020年後半に売上高が1億ドルを超えたことを公表しており、「Alteryx」は既に上場を果たしている。
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編集=上田裕資

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