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ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座

ルイ・ロデレールのプレスティージュ・キュヴェである「クリスタル」のボトル。このシャンパーニュは、19世紀に、ロシア皇帝のアレクサンドル2世の要請をうけて作られた。

世界中でスパークリング・ワインの人気が高まるなか、シャンパーニュも好調だ。昨年2016年、シャンパーニュの世界総出荷額は、5千億円を超え(約49億ユーロ)、過去最高値を記録した。

日本でも、シャンパーニュの人気は高い。近年、日本のシャンパーニュ輸入額は毎年上昇傾向にあり、昨年は、前年比で21.3%の増加。日本は、輸入量・額ともに、アメリカ、イギリスに次ぐ世界第3位の市場に躍進した。シャンパーニュの生産者たちも、和食との相性に可能性を見出すなど、日本ファンも多い。

今回は、毎年4月にシャンパーニュ地方で開催される、春の祭典「Le Printemps des Champagnes」に参加してきた様子をお伝えしたい。シャンパーニュをより楽しむための基礎知識については、過去の記事をお読みいただきたい

個性的で多様なシャンパーニュを知る機会

「シャンパーニュ・ウィーク」とも呼ばれる春の祭典は、1週間の間に、様々な生産者の団体による試飲会やイベントが開催される。以前にも記事で触れたが、シャンパーニュの魅力の一つは、多様性。ブドウ品種、畑の個性、醸造方法の選択、収穫年ごとの性格、そしてそれらをブレンドした時の配合などから、色々なスタイルのワインが生まれる。

春の祭典は、同じ志を持つ生産者で結成された、いくつもの団体による試飲会が中心となる。この動きは、2009年、自分の畑からシャンパーニュを作る栽培醸造家の団体「Terres et Vins」が試飲会を開いたのが始まりだ。この団体の生産者は、いずれもトップクラスのシャンパーニュを作り、世界中で人気が高い。


今年10周年を迎えた「Terres et Vins」団体のお祝いパーティーにて。左から、Champagne Bérêche et Fils、Champagne Tarlant、Champagne Pouillon

他にも、「Les Artisans du Champagne」、オーガニック栽培の生産者から成る「Bulles Bio」、クリュッグの社長やテタンジェのオーナーといったシャンパーニュの女性リーダーによる「La Transmission Femmes en Champagne」などたくさんの団体が、それぞれイベントを開催した。

生産者たちから直接話を聞き、数々のシャンパーニュを試飲することで、その多様性を存分に体感できる。

世界中から集まるシャンパーニュ・ファンとの出会い

今では、このイベントに合わせて、世界中から、ワインのプロやシャンパーニュ・ファンが集まり、シャンパーニュ地方の中心地であるランスの街は昼も夜も大賑わいとなる。ニュース性や、経済効果、何より現地に来てもらい、シャンパーニュをより深く知る機会を提供し、ファンを増やすという点で、イベントとして成功していると感じた。

最近では、ワイン業界においても、インスタグラム、フェイスブック、ツイッター等を活用したソーシャルメディア・マーケティングが重要になっている。有名ジャーナリストによる評価や有力ワイン雑誌、輸入業者による情報提供など、従来の情報伝達手段だけではなく、影響力を持つソムリエ、ブロガーやインフルエンサーといった個人の発信力も無視できない。

特に、わたしの住む米国では、その変化のダイナミズムを感じる。今回のイベントでも、輸入業者やメディアだけではなく、たくさんの個人ブロガーらと出会った。

生産者としても、SNSを上手く活用することで、メディアのフィルターを通さずに、直接、消費者や専門家に、正確な情報を伝えることができ、消費者と直接繋がることができる。

文・写真=島 悠里

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