通常、ワインのボトルは遮光性を高くするため、黒、茶、緑色のガラスを用いるが、「ルイ・ロデレール クリスタル」のボトルはその名の通りクリスタルのように無色透明。これは、1876年、ルイ・ロデレールのシャンパーニュをこよなく愛していたロシア皇帝アレクサンドル2世の要望によってつくられたもの。
一説には、「毒を入れたらすぐにわかるように」とも言われており、ボトルの底も通常のワインボトルと異なりフラットなつくりになるなど、ディテールまで目の行き届いた完璧性を希求した「ルイ・ロデレール クリスタル」は、皇帝のみならず今も多くのワインラバーに愛好されている。
そもそもルイ・ロデレール社は「ルイ・ロデレール」という有名ブランドを冠しているにもかかわらず、一貫した家族経営と自社畑へのこだわりで知られるシャンパーニュメゾンだ。
生産されるシャンパーニュの3分の2を自社畑のブドウでまかない、また全体の約40%をビオディナミ(オーガニックの一種)農法で栽培、瓶詰め後は最低3年(シャンパーニュの規定では15ヵ月)の熟成を経て出荷されるなど、その品質管理は徹底しているが、特に「ルイ・ロデレール クリスタル」は自社畑で栽培された最高品質のブドウを使用して、出来のよかった年のみ醸造。ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%のアッサンブラージュ、瓶詰め、そして平均6年に及ぶ長期熟成、澱引き後さらに8ヵ月の熟成という長い時間を経て、ようやくリリースされる1本はまさに圧倒的な存在感を放つ。
この「ルイ・ロデレール クリスタル」を味わえるのは「銀座うかい亭」。内外の美術品を蒐集した豪奢な空間で、極上の素材を鉄板焼きで味わえることから訪日外国人にも人気を博しており、先日来日したトランプ米大統領夫妻が安倍首相夫妻とディナーを楽しんだのもこの店だとか。
果たして大統領と首相はこの“皇帝のシャンパーニュ”を味わったのか。残念ながら明かせないが、この黄金色の一杯を口にした誰しもが、つかの間の皇帝気分を味わえることは間違いない。
<ルイ・ロデレール クリスタル 2009>
セパージュ:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
容量:750ml
価格:32000円
問い合わせ:エノテカ 0120-81-3634
<今宵の一杯はここで…>
銀座うかい亭〜世界のVIPが愛する鉄板料理〜
とある豪農の屋敷で使われていた古材を活用した梁や欄間、ルネ・ラリックやエミール・ガレのガラス工芸品……洋の東西を問わず蒐集された美術品が飾られた店内で、供されるのは最高級黒毛和種のステーキなど、素材にこだわった鉄板料理。銀座で、ビルの中にいることを忘れそうになる贅沢な時間を求めて、接待や会食に、内外のVIPが集う。
住所:東京都中央区銀座5-15-8 時事通信ビル1F
電話:Tel.03-3544-5252(受付12:00~22:00)
定休/日曜