「この結婚は続ける価値があるか」と自問しているなら、あなたはおそらく岐路に立っている。苦痛を伴うパターンから抜け出せないと感じ、状況が改善するかどうかはわからない。相手との距離ができ、つながりが揺らいでいるように感じられ、しがみつく価値があるものがまだ残っているのだろうかと考え込んでいるかもしれない。
どんなに強い絆で結ばれている夫婦でも、苛立ちや猜疑心が募る時があるものだ。かつて分かち合った愛がまだどこかに残ってるのか、疑問に思うこともあるかもしれない。
もちろん、全ての結婚がずっと続くわけではなく、時には別れることが2人の取り得る最良の選択になることもある。だが中には、互いに向き合って成長し、一緒にやり直す意思があれば、修復可能かもしれない夫婦の関係もある。
これは、無理にハッピーエンドにすることではない。2人を本当に結びつけている何かが見えないところにあるかどうか、そして前進するために進んで取り組もうという意思が双方にあるかどうかを、認識することだ。
困難を抱えながらも、夫婦関係が一層強固なものになる可能性を秘めていることを示す4つのサインを、以下に挙げよう。
1. 互いが自分を成長させようとしている
うまくいっていない結婚で最も見落とされがちな真実の一つは、夫婦関係の修復は必ずしも「2人の関係」の改善から始まらないということだ。通常は、双方がそれぞれに自分の内面と向き合うことから始まる。どちらか1人、または2人ともが自分の感情を内省し、成長していくと、それが波及効果を生み、コミュニケーションの取り方や反応の仕方、つながり方に影響を与える。
自分自身が幸せであること、そして結婚生活に毎日献身し続けることが、真の永続的な変化の基盤を築く。
研究によると、幸福度が高い人は結婚生活の幸福度も高い傾向にあり、結婚初期に幸福度が低い人は不幸な結婚生活を送る可能性が高いことが示されている。研究者たちはまた、個人が抱える苦悩が夫婦間の緊張につながると指摘している。
これは個人の苦悩がその人の内面に留まらず、夫婦関係にも影響を及ぼすことを浮き彫りにしている。自分の心の健康に責任を持つことは個人の生活を改善するだけでなく、夫婦関係を有意義に変えられる。
これを裏付けるものとして、個人療法を受けているストレスを抱える女性を対象に2024年に行われた研究では、対象者の3分の2で結婚に対する満足度と献身度合いの顕著な改善が見られた。これは、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT※)のようなアプローチが夫婦のどちらかに行われた場合でも、夫婦関係にポジティブな影響を与えることを示している。
あなたとパートナーが共に進んで責任を負い、ストレス管理や過去の傷の修復、健康的な習慣の構築などといった内面の課題に取り組めば、夫婦関係は修復する可能性が高い。成長は個人レベルから始まるが、相手と共に変化をもたらす余地を生み出す。
※ 不安や苦しみをなくすのではなく、あるがままに受け入れて自分が大切にしたい人生を送るという発想をベースにした心理療法。