米トランプ政権高官が軍事作戦について協議していた通信アプリ「Signal(シグナル)」のグループチャットに誤ってジャーナリストが招待されていた問題で、米上院軍事委員会のロジャー・ウィッカー委員長(共和党)は26日、監察総監による迅速な調査を要請した。ホワイトハウスはこの一件を重視しない姿勢を示しているが、共和党内からは政権と距離を置く動きも出ている。
ウィッカー委員長は26日、上院軍事委の民主党トップであるジャック・リード上院議員と連名でトランプ政権に書簡を送付。政権閣僚がイエメンの反政府武装勢力フーシ派に対する軍事作戦についてやり取りしていたグループチャットに、米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長が参加していたことが発覚した問題をめぐり、国防総省の監察総監室(OIG)による調査を行うよう求めた。
ウィッカー委員長はまた、チャットで交わされていた情報は機密扱いではなかったとするホワイトハウスの説明にも反論。26日に開かれた上院公聴会で、トランプ政権は「間違い」を「認める」べきだと指摘し、「最近公表された情報は、私には機密性の高いものに思われる。私としては機密扱いにしてほしかった」と述べた。
他の共和党議員からも批判が相次いでいる。ネバダ州選出のドン・ベーコン下院議員は、機密情報ではなかったとの政権側の主張をあからさまに非難。「ホワイトハウスは現実から目をそらしている」「彼らはそのことを認め、信頼の維持に努めるべきだ」とニュースサイトのアクシオスに語った。
共和党上院トップのジョン・スーン院内総務、ニック・ラロタ下院議員、ティム・シーヒー下院議員らも、今回の情報漏洩に公然と懸念を表明している。ラロタ議員は政治ニュースサイトのポリティコに対し「最も控えめに言ってる……まるで杜撰だ」とあきれ、シーヒー議員は「誰かが『やらかした』んだ」と記者団に吐き捨てた。