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北米

2025.03.25 10:00

グリーンランド首相が米代表団の訪問に不快感、「挑発行為」と主張

3月15日、グリーンランドのヌークで、ドナルド・トランプ米大統領の自国の主権に関する最近の発言に抗議するために集まったグリーンランド人(Photo by Ahmet Gurhan Kartal /Anadolu via Getty Images)

3月15日、グリーンランドのヌークで、ドナルド・トランプ米大統領の自国の主権に関する最近の発言に抗議するために集まったグリーンランド人(Photo by Ahmet Gurhan Kartal /Anadolu via Getty Images)

デンマーク自治領であるグリーンランドのムテ・エーエデ自治政府首相は、トランプ政権の高官とJ.D.ヴァンス副大統領の妻、ウーシャ・ヴァンスによるグリーンランド訪問について、「明確な挑発行為だ」と述べた。これは、トランプ大統領が同領土を国家安全保障の名目で併合し、米国の支配下に置くと脅し続けている中での発言だ。

ホワイトハウスの当局者は3月23日、ヴァンス副大統領夫人が率いる代表団が今週後半にグリーンランドを訪問すると発表した。この代表団には国家安全保障担当補佐官のマイク・ウォルツや、エネルギー長官のクリス・ライトらが含まれている。

国家安全保障会議(NSC)のブライアン・ヒューズ報道官は、今回の訪問の目的が「グリーンランドの文化、歴史、人々を学ぶこと」であり、「グリーンランドの自治権を尊重する形でのパートナーシップを深める機会だ」と説明した。

しかし、エーエデ首相は現地メディアとのインタビューで、「この訪問が、政治家の妻による無害なものとして片づけることは到底不可能だ」と述べて、「国家安全保障補佐官がグリーンランドに何の用があるのか?」と問いかけた。

同首相は、今回の訪問の唯一の目的は「我々に力を誇示すること」であり、そのシグナルは誤解のしようがないと主張した。エーエデ首相はさらに、ウォルツ補佐官のグリーンランドへの訪問が、「米国民にトランプによるグリーンランドの併合というミッションを信じ込ませることにつながる」と語った。

同首相はまた、トランプによる併合の脅しに対し、国際社会の中の特に同盟国から明確な反発がないことに疑問を呈した。「国際社会の私たちの同盟国が、小さな片隅でこそこそと支援の言葉をささやいているだけでは、何の効果もない」とエーエデ首相は述べて、「西側の同盟国が声を上げなければ、この状況は悪化し続け、アメリカの『侵略』も増していくだろう」と警告した。

同首相はさらに、「私たちは、米国の新政権がこれまで我々が共に守ってきた価値観にまったく無関心であるという現実を直視しなければならない」と語った。

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相も、現地メディアへの声明でこの訪問に言及し、「今回の訪問を、最近の米政府によるグリーンランドへの言及と切り離して考えることはできない」と述べた。また、「我々は米国と協力したいと願っている。しかし、それは主権と国家・国民間の相互の尊重という基本的価値観に基づくものでなければならない」と強調した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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