食&酒

2025.03.26 19:30

2025年版「アジアのベストレストラン50」 食の世界の進化と深化

2025年版「アジアのベストレストラン50」授賞式の様子

2025年版「アジアのベストレストラン50」授賞式の様子

食のトレンドを発信する「世界のベストレストラン50」のアジア版、「アジアのベストレストラン50」の授賞式が3月25日、ソウルで開催された。ソウルでの開催は昨年に続く2回目となり、今年の会場は梨泰院地区にあるグランドハイアットソウル。シェフや関係者ら940人が集まり、盛況となった。

時代性を映すランキングとして知られる50ベスト。この数年は「この土地らしさ」と「サステナブル」がキーワードとなっている。そして、そうしたキーワードを発信するイベントが豊富なことが50ベストらしさでもあり、今回もさまざまな場が設けらていた。

2025年 アジアNo.1は「ガガーン」

まず授賞式。今回アジアNo.1となったのは、タイ・バンコクの「ガガーン」。2015〜18年に続く5度目のNo.1となった。

ロックミュージックをこよなく愛するガガーン・アナンドシェフは、Kiss の曲「Lick it up」に合わせてゲストが皿に塗ったペーストをなめて食すなど「料理と音楽の融合」を提案している。「客としてファインダイニングで食事をする中で、どこも同じようなサービスで、退屈だと感じた。自分たちが楽しいと思う店にしたいと、世界で唯一、食事をしながら、皆で一緒に歌い、踊れる店になろうと思った」と語った。

日本のレストランは全11軒がランクイン。去年の9軒を上回る結果となった。4位に「セザン(Sézanne)」、8位に「ラシーム(La Cime)」、12位に「NARISAWA」、17位に「フロリレージュ」22位に「傳」、30位に「クローニー(Crony)」、33位に「鮨さいとう」、34位に「茶禅華」、36位に「Goh」、43位に「MAZ」45位に「明寂」が入った。また、ベストソムリエには「クローニー」の小澤一貴氏が選ばれた。

2年連続で主催国となった韓国は、モダン韓国料理の「ミングルス(Mingles)」が去年の13位から5位にランクアップ、同「オンジム(Onjium)」が21位から10位に、さらにハイエスト・ニュー・エントリー(新しくリスト入りした中で最も高順位)として25位にモダン韓国料理の「イータニック・ガーデン(Eatanic Garden)」が入るなど、好結果を残した。

招致に関わった韓食振興院のラルフィー・ソン氏は「50ベストは明確にランキングされるところに魅力がある。韓国のレストランが多く高順位に入ることで、食の旅先としての存在感を増すことができる。一定の成果が得られたと満足している」と語り、今後は、世界のベストレストラン50授賞式の招致に向けて力を入れていくという。

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文・写真=仲山今日子

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