会社勤めで成功するために学んだことがすべて時代遅れだったとしたら......と考えたことはないだろうか。自分より年上の世代には効果があったキャリア関連のアドバイス、例えばクタクタになるまで働くこと、社内政治には関わらないこと、徐々に昇進していくことなどだ。それらは時代遅れの考え方のほんの一例で、あなたの成功を妨げているかもしれない。
こうした神話は、あなたの時間とエネルギーを無駄にするだけではない。 あなたのキャリアの成長を、実際に遅らせる可能性がある。
社内で成功する人と、クビにならずに済んでいるだけの人の主な違いは、組織の仕組みに関する暗黙のルールを理解しているか否かだ。今回は、会社勤めに関する5つの神話を、キッパリと否定したい。
神話その1:長時間働けば昇進が保証される
神話
誰よりも早く出社して、長く働けば昇進できるという考え方は、会社勤めにおいて最も有害な俗説のひとつだ。がむしゃらに働くことを美化する考え方は、努力の割にはこれといった成果を伴わず、ストレスやバーンアウト(燃え尽き症候群)の原因になっている可能性が高い。真面目に働くことで確かに報われるが、大切なのはただがむしゃらに働くことではなく、賢く働くことだ。
現実
ひたすら残業するよりも、適度な時間内で仕事をこなす方が良い成果を上げられることが、研究で明らかになっている。米スタンフォード大学の研究によると、週50時間以上働くと生産性が大幅に低下し、55時間以上になると急激に落ち込むという。また、週に最低1日は休みを取らないと、時間当たりの生産性も全体的に低下する。働きすぎは健康にも悪影響を及ぼす。世界保健機関(WHO)の調査では、週35~40時間働く場合と比較して、週55時間以上働く場合には脳卒中を患うリスクが35%上昇し、心疾患で死亡する可能性は17%上昇することが明らかになった。
成功に向けた戦略
• 費やした時間よりも、結果を意識する
• 上司やチームリーダーに、成果を明確に伝える
• 成果を上げるために、業務を合理化する
• バーンアウトを防ぐために、健全な境界線を引く
神話その2:立派な肩書は高給を伴う
神話
意外かもしれないが、上司があなたより多く稼いでいるとは限らない。肩書と給料は大半の人が考えているほど直接つながっているわけではない。こうした誤解から今の立場でもっと多く稼げる可能性があるにもかかわらず、多くの人が管理職を目指している。
現実
上司が、自分よりたくさん給料をもらっていると思い込んではいけない。実際、専門性の高い職に就いている人であれば、すでに上司を上回る額をもらっているかもしれない。会社勤めに関するこのような誤解は、現在の職務の方が収入を増やせる可能性が高いにもかかわらず、管理職を目指すことにつながる可能性がある。
成功に向けた戦略
• 業界特有の報酬体系を調べる
• 基本給だけでなく、報酬全体を考慮する
• 個人の強みや関心に基づいて、キャリアを重ねる道筋を評価する
• 社内での地位の序列ではなく、市場価値に基づいて報酬を交渉する