理想のキャリアを設計するにあたっては、考慮すべき要素が複数ある。例えば、業界(銀行、小売、ヘルスケアなど)や役職(マーケティング、営業、サービス運営など)だ。会社の規模に関して希望がある人もいるだろう。例えば、リソースが豊富な大企業がいい、あるいは、仕事仲間全員の顔が見える中小企業がいい、というように。
リモートワーカーは別として、企業の所在地も考慮すべき要素のひとつだ。通勤にどれだけ時間をかけるつもりがあるかによって、考慮の対象となる企業が決まる。
求人に応募する際、企業の創業年に注目する人は少ないかもしれない。だが、スタートアップ企業で働くのと、歴史ある企業で働くのとでは、日々の業務やキャリアパスに決定的な違いが生まれることがある。スタートアップ企業で働くことには一長一短があり、誰にでも勧められるものではない。
スタートアップで働くメリット
スタートアップは千差万別なので、志望する個々の企業について、長所と短所をリサーチする必要があるのは当然だ。このことに注意しつつ、一般論としてスタートアップ企業にあてはまる5つのメリットを以下に紹介しよう。
1. インパクト:スタートアップが生き残れるか否かは、日々の成果にかかっている。これはつまりスタートアップでは、あなたの仕事の重要度がより高いことを意味する。社員が少ないぶん、あなたが出した成果が薄まることがないからだ。
2. ペース:スタートアップは一般に、仕事のペースが速い。規模が小さく、こなすべき書類手続きが少ないからだ。
3. 業務の多様性:大規模で長く続いている企業と比べ、スタートアップは一般的にリソースに乏しいため、業務内容はより多岐にわたる。リソースが限られている分、誰もがより多くの仕事を引き受けなくてはならないのだ。
4. 仲間意識:規模が小さい分、仕事仲間をより深く知る機会は豊富にある。ここから、より緊密に協力して仕事ができる可能性も開ける。
5. 報酬:立ち上げの時期に入社したスタートアップ企業がうまく成長すれば、成長に応じたボーナスやストックオプションといった形で、大きな報酬が得られるかもしれない。
スタートアップで働くリスク
スタートアップが、小規模であることや仕事のペースが速いことは諸刃の剣だ。社員が少ないため、大きなインパクトを残せる可能性がある一方で、過大な量の仕事を任されるかもしれない。