ある程度の経験を積んだ段階では、スタートアップの環境の方が、より大きなチームを率い、多岐にわたる仕事内容を扱えるかもしれない。歴史ある大企業では概して、役職がより厳密に、狭く定義されているからだ。
幹部社員への昇進を目指すなら、最初からスタートアップを狙う方が高い地位につける可能性がある。また、より大きな企業からスタートアップに移ってくる場合には、個人としてより大きな資金を(初めて)扱える可能性もある。
キャリアパスのどんな段階でもスタートアップの優位性は存在するため、スタートアップに入社する最適なタイミングは各個人の経歴や、将来のキャリア目標によって異なる。また、スタートアップでの勤務がどれだけ個人のバックグラウンドに合致し、優先目標の達成に貢献するか(あるいはしないか)という点も影響する。
スタートアップの典型的な社内カルチャーとは
スタートアップは規模が小さく歴史が浅いため、その社風は大抵の場合、臨機応変で、形式ばらず開放的だ。これにより、確立された大企業にいるときよりも、自分の潜在能力についてオープンに考えることができるかもしれない。
とはいえ、自分が就職を考えているスタートアップの個々の社風を見極める必要がある。職場のカルチャーは企業によってまちまちであり、時には部署によっても異なる。創業者が絶対的な存在となっているスタートアップでは、創業者がアイデアを独占し、すべての意思決定を自分で下そうとする場合がある。そのため、旧体制の刷新を意図する大企業が新しいリーダーを迎え入れる場合と比べ、はるかに専制的な場合もある。
スタートアップで働くべき理由はたくさん。しかし避けるべき理由も
スタートアップで働くことは、インパクト、仕事のペース、多様性、仲間意識、金銭報酬の伸びしろといった面で、極めて有意義な経験になり得る。しかしリスクもあり、個人の人生とキャリアの状況によっては、伝統ある大企業に勤めた方が有益なこともある。
スタートアップの社風やそこでの経験は千差万別なので、会社の規模と創業年だけで決めつけるのではなく、特定の企業やそのなかの特定の役職について、自分でしっかり下調べをすることが肝心だ。