【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

国内

2025.03.11 14:30

世界を変える30社:次世代インパクトスタートアップ2025年版

イラストレーション=ブラチスラブ・ミレンコビッチ

イラストレーション=ブラチスラブ・ミレンコビッチ

社会課題の解決と持続可能な成長を両立しポジティブな影響を社会にもたらす「インパクトスタートアップ」。次の時代を切り拓く、注目の30社を選出した。


『Forbes JAPAN』では今回、さまざまな領域で誕生しているインパクトスタートアップのなかでも、「次世代」たちの存在にフォーカスし、今注目すべき30社を選出した。「社会課題の解決」を成長のエンジンととらえ、持続可能な社会の実現を目指すスタートアップのなかで、累計調達金額5億円を1つの基準とし、投資家、起業家、業界関係者へのアンケート取材を経て、編集部で選出。30社のなかには、児童精神科専門の訪問看護、シニア世代のWell-being、寄付決済のプラットフォーム、資源循環プラットフォーム、マラリア根絶を目指すドローン×AI、主治医と専門医をつなぐインフラ、難民の雇用機会の創出など多様で多彩な企業が並んだ。躍動を続けるインパクトスタートアップ・シーンは、次世代の登場とともに新たなステージに進んでいる。

1. CEO 2. 創業年 3. 累計調達額 4. 事業概要

作物残滓で超吸水性ポリマーを開発|EF Polymer

1. ナラヤン・ラル・ガルジャール 2. 2019年 3. 5億9000万円 4. オレンジの皮をアップサイクルし、100%オーガニックで環境に優しい超吸水性ポリマーを農業資材としてグローバルに展開。水不足を中心とした環境課題の解決に取り組む。日用品や化粧品、災害用の製品などにも展開。

カイコで「タンパク質危機」を解決|Morus

1. 佐藤 亮 2. 2021年 3. 2億3000万円 4. 日本が世界トップの研究技術を誇り、他の昆虫にない独自の性質を持った生物資源であるカイコを、高機能食品原料として東南アジアを中心に海外展開し、日本発の素材産業の創出を狙う。ミッションは「低環境負荷な新時代のタンパク源を創出する」。

世界中の人々を平和的につなげる|HelloWorld

1. 野中 光、冨田啓輔 2. 2020年 3. 2億3400万円 4. 「世界中に1カ国ずつ友達がいることが当たり前の社会をつくる」をミッションに、国内に住む外国人宅ホームステイ「まちなか留学」、学校の授業で世界とつながり英語を実践するEdTechアプリ「World Classroom」など複数事業を展開。

AIで酵素開発プロセスを効率化|digzyme

1. 渡来直生 2. 2019年 3. 10億円 4. AIを活用し、産業用途に適した効率的に酵素をデザインする技術を開発。食品・化学などの産業の新規製品開発や生産効率化を通じて、持続可能な未来を目指す。2024年より自社の酵素ライブラリの開発を開始し、複数の事業会社との連携を行う。

資源循環プラットフォームを構築|レコテック

1. 野崎 衛 2. 2007年 3. 非公開 4. サーキュラーエコノミーへの移行を加速させる「pool」を運営。直近では、玉川髙島屋S・Cのごみ置き場に最先端の資源管理システムを構築した。あらゆる資源を循環させ、国内最大級のごみが資源に生まれ変わるマーケットプレイスの構築を目指す。

インクルーシブデザインを社会実装|Halu

1. 松本友理 2. 2020年 3. 1億8000万円 4. 当事者とともに創る「インクルーシブデザイン」の手法で、障がい者と健常者が「ともに使えるプロダクト」を開発。「IKOU(イコウ)ポータブルチェア」は、全国92ヶ所の施設に導入(24年12月末)。共生社会の実現に向けた挑戦を続ける。

視覚障がい者向けのナビ開発|Ashirase

1. 千野 歩 2. 2021年 3. 5億2500万円 4. 視覚障がい者向けナビゲーション「あしらせ」の研究開発及び販売を行う。専用アプリで目的地を入力すると、靴に取り付けるデバイスが振動し道順を案内する仕組みで、2024年10月に一般販売を開始。2025年夏には欧州に展開予定。

マッチングで介護の人材不足解消|カイテク

1. 武藤高史 2. 2018年 3. 12億8900万円 4. 介護・医療現場で「この日」「この時間だけ」働きたいという人たちと事業所をマッチングするプラットフォームを構築。介護・医療業界の課題である慢性的な人材不足の解決に向け、テクノロジーの力で柔軟な働き方を提供し、サポートする。

主治医と専門医をつなぐインフラ|Medii

1. 山田裕揮 2. 2020年 3. 7億8600万円 4. 医師でも患者の対応が難しい場合に、その早期診断と治療の最適化を促す医師向け専門医相談サービス「Medii Eコンサル」を提供。多くの製薬企業との協業により持続可能な新しい医療インフラを構築し、毎年前年比の数倍の成長を続けている。

小児の発達障害をアプリで治療へ|Peds3

1. 千先園子 2. 2023年 3. 1億1000万円 4. 小児科専門医チームが立ち上げた「こどもDoTank」。すべての子どもたちが笑顔になれる社会を目指し、BioPsychoSocialなケアをエビデンスとデジタルAIで社会実装。第一段階では発達障害や心身症などのSaMD開発を推進中。

次ページ > ポジティブな影響を社会にもたらす「インパクトスタートアップ」

編集=山本智之、川上みなみ|4P・5P 文= 川上みなみ(AgeWellJapan)、大崎 真澄(レコテック)、大久保 崇(Ms.Engineer / AiCAN)、写真=若原瑞昌

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事