欧州

2025.02.21 09:30

ウクライナ、光ファイバーたどりロ軍ドローン操縦士を攻撃 「不屈」の意思と能力示す

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トランプが今週、自身の与党と政権、国をロシアの権威主義体制を受け入れるような方向に導くと、ゼレンスキーは即座に方針転換した。ウクライナの戦争努力の継続に向けた支援を固めるべく、トルコを訪問してレジェプ・タイップ・エルドアン大統領と会談したり、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と電話協議したりした。

ドイツのアナレーナ・ベアボック外相は、欧州連合(EU)が7000億ユーロ(約110兆円)規模のウクライナ支援を取りまとめる可能性を示唆している。今後数カ月以内に実現すれば、ウクライナ軍を根本的に変革し、ウクライナによる抵抗を何年にもわたって維持できる可能性がある。

要するに、トランプが何と言おうとウクライナは戦い続けられるということだ。そして、カラダフ旅団がこのほどドネツク州のポクロウシク市とトレツク市の中間あたりに位置するボジャネ・ドルヘ付近で行った戦闘は、ウクライナのこうした持続的な抵抗力を示してみせたものでもあった。

カラダフ旅団のドローン操縦士らはロシア軍のドローンチームを追っていた。もっと言えば、光ファイバードローンを運用するチームを追跡していた。無線ではなく非常に細い光ファイバーケーブルで送受信する有線ドローンは、ウクライナ側による激しい電波妨害を回避できる。
ロシア軍に比べて兵員数も大砲数も劣るウクライナ軍だが、ドローンの数ではロシア側を凌駕し、その性能も上回っている。これらのドローンの多くは自国製で、ウクライナや欧州の資金で賄われている。

ウクライナが主要な抵抗手段であるドローンの優位性を保っていくためには、ロシアによるドローン能力増強の努力を妨げる必要がある。光ファイバーケーブルの反射を見つけたカラダフ旅団のドローン操縦士らは、ウクライナの無人システム軍やそのドローン部隊が進むべき道を示した。

日光を反射する光ファイバーケーブルをたどって、彼らはロシア軍ドローンチームの雪に覆われた隠れ家を発見した。それからFPV(一人称視点)自爆ドローンを送り込み、不運なロシア軍ドローン操縦士たちを攻撃した。

これは戦略的なメッセージも読み込める戦術的な勝利だった。米国はロシアに屈することを選ぶかもしれないが、ウクライナがそうする必要はないのだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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