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宇宙

2025.02.20 18:00

太陽系にやってくる恒星間天体、ケンタウルス座アルファ星系から飛来か

観測史上初めて発見された恒星間小惑星オウムアムアを描いた想像図(ESO/M. Kornmesser)

観測史上初めて発見された恒星間小惑星オウムアムアを描いた想像図(ESO/M. Kornmesser)

未知の領域から太陽系にやってくる恒星間天体は、かつてはSFの世界の話だった。だが今日、この種の天体が少なくとも2例知られている。2017年と2019年にそれぞれ検出されたオウムアムアと2I/ボリソフだ。これらは、どこからやってきたのだろうか。

科学誌The Planetary Science Journalに掲載が受理された論文によると、太陽系には常に、ケンタウルス座アルファ三重星系から飛来したおびただしい数の小惑星や彗星、そして恐らく微粒子さえもが存在していることを、論文のシミュレーション結果は示している。

論文の筆頭執筆者で、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学の天文学博士号取得候補者のコール・グレッグは取材に応じた電子メールで、今回の研究では、太陽系内にある直径100m以上のケンタウルス座アルファ星系由来天体の上限数を約100万個と予測していると述べている。問題は、この種の天体の検出可能性がわずか100万分の1しかないことだと、グレッグは指摘する。

50億年前に形成されたケンタウルス座アルファ星系は現在、太陽の方向にほぼまっすぐに移動している。

グレッグによると、ケンタウルス座アルファ星系から比較的低速(秒速2km未満)で放出される物質は、太陽系に到達する可能性があると考えられ、すでに太陽系内に存在しているかもしれない。約2万8000年後にケンタウルス座アルファ星系が太陽系から約3.2光年の距離まで最接近すると、物質の流入量がピークに達すると予測されるという。

ケンタウルス座アルファ星系の3つの恒星のうちで、周囲を公転する惑星の存在が確認されているのは、プロキシマ・ケンタウリだけだ。

惑星を持つ恒星系は、恒星の公転軌道の不安定性を促進させる中で、重力の相互作用によって与えられるエネルギーの反動により、天体が恒星自体の重力から脱出できるようになる可能性があると、グレッグは説明する。恒星系が惑星を持たない場合でも、他の恒星との接近遭遇や銀河の潮汐作用(銀河系自体の重力の影響)、より小さな粒子の場合は恒星の放射エネルギーなど、別のメカニズムによって物質が放出される可能性があるという。
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翻訳=河原稔

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