宇宙

2025.02.20 18:00

太陽系にやってくる恒星間天体、ケンタウルス座アルファ星系から飛来か

観測史上初めて発見された恒星間小惑星オウムアムアを描いた想像図(ESO/M. Kornmesser)




今回の研究のシミュレーションでは、銀河系内における太陽の位置と、太陽および他の恒星の運動を考慮している。

グレッグによると、これにより太陽とケンタウルス座アルファ星系の過去1億年間の運動を組み込んでいる。その上で、ケンタウルス座アルファ星系から放出される粒子について、考えられる放出速度をモデル化してシミュレーションを行い、粒子が太陽系に到達するかどうかを調べているという。

最接近

グレッグによると、今回のシミュレーションでは、ケンタウルス座アルファ星系から太陽系に到達している物質を1000万年の期間にわたって調べている。これは、ケンタウルス座アルファ星系の粒子が最も高密度に集まった領域を太陽系が通過している期間でもあるという。

驚くべきことに、数ミクロン(1ミクロン=1000分の1mm)程度の大きさの粒子でさえも、ケンタウルス座アルファ星系からの旅を乗り切ることができる。

グレッグによると、探査機に搭載されている星間塵検出器で、非常に小さな恒星間粒子が検出されたことがある。

今回の論文では、地球の大気圏で検出できるケンタウルス座アルファ星系の流星は年間10個ほどの可能性があると指摘されている。

まとめ

グレッグによると、ケンタウルス座アルファ星系から飛来した物質がすでに太陽系内に存在しているとすれば、それは銀河系が相互接続ネットワークとして機能していることを示唆している。このネットワークでは、恒星間で物質や元素、生命の材料物質などもやり取りしている可能性がある。これにより、銀河系に関する現在の理解が、独立した恒星の集まりとしてではなく、進化を続ける動的な生態系としての認識に改められる可能性があると、グレッグは話している。

次なる展開は?

デブリ円盤(岩石や氷の破片や塵からなる星周円盤)を持つことが知られ、恐らく惑星が存在する可能性がある、がか座ベータ星などの太陽系近傍の恒星に、研究チームの関心は向いていると、グレッグは述べている。これは、恒星系から大量の物質が放出されて太陽系へと運ばれる可能性が増大するからだと、グレッグは説明した。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

タグ:

続きを読むには、会員登録(無料)が必要です

無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。
著者フォローなど便利な機能、限定プレゼントのご案内も!

会員の方はログイン

ForbesBrandVoice

人気記事