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北米

2025.02.20 13:00

ISSの米宇宙飛行士は「政治的な理由」で取り残されている、マスクが主張

2024年11月19日、スペースXスターシップロケット6回目の試験飛行の打ち上げ見学会でのイーロン・マスクとトランプ大統領(Photo by Brandon Bell/Getty Images)

2024年11月19日、スペースXスターシップロケット6回目の試験飛行の打ち上げ見学会でのイーロン・マスクとトランプ大統領(Photo by Brandon Bell/Getty Images)

イーロン・マスクは2月18日、昨年から8カ月以上にわたり国際宇宙ステーション(ISS)で足止めされている米国の宇宙飛行士2人が、「政治的な理由」で取り残されていると主張した。

マスクは18日のFOXニュースの番組にトランプ大統領と共に出演し、司会者が「バイデン政権によって見捨てられた」と指摘した宇宙飛行士2人の「救出計画」について語った。

スペースXのCEOであるマスクは、大統領の指示を受けて「宇宙飛行士の帰還を急いでいる」と語った。彼はまた、バイデン政権に非難の矛先を向けて、「帰還がばかげたほど遅らされている」と述べた。トランプは、この見方に同調して「彼らは宇宙に取り残されている」と主張した。

司会者が、「宇宙飛行士たちは、本来8日間の予定だったはずの滞在をすでに約300日も続けている」と指摘すると、トランプは「バイデン」とひと言のみで答えた。マスクは、「彼らは、政治的な理由で宇宙に放置された。それは良くないことだ」と述べた。

マスクはまた、自慢するつもりはないとしながらも、「スペースXは、これまでに何度も宇宙飛行士をISSから帰還させており、すべて成功している」と主張した。

彼によれば、宇宙飛行士は約4週間後に帰還する予定で、この計画は大統領のおかげでようやく「ゴーサインが出た」という。しかし、NASAは、昨年12月の時点で宇宙飛行士が3月に帰還すると発表しており、なぜこのスケジュールがトランプによる「ゴーサイン」で前倒しされたといえるのかは不明だ。

トランプは、マスクの発言に続いて「バイデンはゴーサインを出さなかった。彼らは宇宙飛行士を置き去りにするつもりだったんだ。信じられるか?」と、根拠を示さずに主張した。トランプは、1月末のトゥルース・ソーシャルの投稿でも同じ主張を展開し、マスクとスペースXに「2人の勇敢な宇宙飛行士」を、迎えに行くように頼んだと述べていた。

宇宙飛行士は「見捨てられたと思っていない」

一方、ISSに滞在中の宇宙飛行士たちは、トランプの見解を否定している。先週のCNNのインタビューに応じた宇宙飛行士のブッチ・ウィルモアは、トランプの発言について尋ねられると、「私たちは見捨てられたと感じていない。閉じ込められたとも、立ち往生しているとも感じていない。他の人がそう思うのは理解できるが、私たちは準備ができているし、仕事にコミットしている」と語った。

もう1人の宇宙飛行士のスニータ・ウィリアムズも、CBSのインタビューで、「トランプの発言は正確ではないと思う」と述べ、「私たちは見捨てられたとは思っていない。国際宇宙ステーションのチームの一員であることを誇りに思っている」と語った。

ウィルモアとウィリアムズは、昨年6月にボーイングが開発した宇宙船、スターライナーでISSに向かった。彼らのミッションは、スターライナーによる初の有人試験飛行の一環として行われたもので、最大10日間の予定だった。しかし、この宇宙船は、ISSへのドッキングには成功したものの、その後の点検で複数の不具合が発覚し、最終的に無人の状態で地球に帰還した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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