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VC

2025.02.13 12:00

防衛テック業界の「Yコンビネータ」目指す、米LAの新興VC

シリコンバレーの防衛テックムーブメントの中心地となったカリフォルニア州ロサンゼルス・エル・セグンド(Shutterstock.com)

シリコンバレーの防衛テックムーブメントの中心地となったカリフォルニア州ロサンゼルス・エル・セグンド(Shutterstock.com)

ここ数年でシリコンバレーの防衛テックムーブメントの中心地となったのが、ロサンゼルス国際空港の近郊に位置するエル・セグンドと呼ばれる街だ。第二次世界大戦中に航空機製造の拠点となったこの街では現在、ボーイングやレイセオン、ノースロップ・グラマンなどの防衛大手が最大の雇用主となっている。

しかし、2017年にパルマー・ラッキーが率いる防衛テクノロジー企業Anduril(アンドゥリル)が拠点を構えて以来、エル・セグンドは「反シリコンバレー」的なカルチャーの震源地となっている。

シリコンバレーの異端児として知られるラッキーが共同創業したアンドゥリルは、今から数カ月前に140億ドル(約2兆1000億円)の評価額で15億ドル(約2300億円)を調達したが、新たな調達ラウンドで評価額を280億ドル(約4兆2000億円)に倍増させて25億ドル(約3780億円)を調達する見通しであることを、フォーブスは先日報じていた。

昨年4月、大学生で投資家のヤコブ・ディーペンブロックは、自身が創業パートナーを務めるベンチャーキャピタル(VC)、Discipulus Ventures(ディシピュラス・ベンチャーズ)の起業家イベントを、エル・セグンドの倉庫で開催した。彼は、冷蔵庫一杯のエナジードリンクと、20キロの挽肉で作ったハンバーガーを用意して、参加者にふるまった。「これが僕らの燃料なんです」と、当時20歳のディーペンブロックはフォーブスに語っていた。

それから約10カ月を経た今、自らを「グンド・ブラザース」と呼ぶエル・セグンドの起業家たちは、大手VCの熱い注目を浴びており、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)やラックス・キャピタル、ポイント72ベンチャーズなどの投資家が、Discipulusにとって最初の支援先の6社以上に出資している。

これらのVCが投資したアーリーステージの企業には、鉱業向けに自律型の掘削装置を開発するDurin(デューリン)や軍の補給チェーンの管理ソフトウェアを構築するRune Technologies(ルーン・テクノロジーズ)、電子戦向けのデータ製品を開発するVanguard Defense(バンガード・ディフェンス)などが含まれる。

次世代のYコンビネータ

Discipulusは今、「次世代のYコンビネータ」とも呼べるファンドを立ち上げて、1週間にわたる起業家のピッチイベントを開催しようとしている。ディーペンブロックらは、この取り組みに向けて600万ドル(約9億2000万円)の資金をEventbrite(エバーブライト)創業者のケビン・ハーツなどの投資家から調達した。
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編集=上田裕資

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