しかし、2017年にパルマー・ラッキーが率いる防衛テクノロジー企業Anduril(アンドゥリル)が拠点を構えて以来、エル・セグンドは「反シリコンバレー」的なカルチャーの震源地となっている。
シリコンバレーの異端児として知られるラッキーが共同創業したアンドゥリルは、今から数カ月前に140億ドル(約2兆1000億円)の評価額で15億ドル(約2300億円)を調達したが、新たな調達ラウンドで評価額を280億ドル(約4兆2000億円)に倍増させて25億ドル(約3780億円)を調達する見通しであることを、フォーブスは先日報じていた。
昨年4月、大学生で投資家のヤコブ・ディーペンブロックは、自身が創業パートナーを務めるベンチャーキャピタル(VC)、Discipulus Ventures(ディシピュラス・ベンチャーズ)の起業家イベントを、エル・セグンドの倉庫で開催した。彼は、冷蔵庫一杯のエナジードリンクと、20キロの挽肉で作ったハンバーガーを用意して、参加者にふるまった。「これが僕らの燃料なんです」と、当時20歳のディーペンブロックはフォーブスに語っていた。
それから約10カ月を経た今、自らを「グンド・ブラザース」と呼ぶエル・セグンドの起業家たちは、大手VCの熱い注目を浴びており、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)やラックス・キャピタル、ポイント72ベンチャーズなどの投資家が、Discipulusにとって最初の支援先の6社以上に出資している。
これらのVCが投資したアーリーステージの企業には、鉱業向けに自律型の掘削装置を開発するDurin(デューリン)や軍の補給チェーンの管理ソフトウェアを構築するRune Technologies(ルーン・テクノロジーズ)、電子戦向けのデータ製品を開発するVanguard Defense(バンガード・ディフェンス)などが含まれる。