元フェイスブックのマイク・バーナルは、2023年にセコイア・キャピタルを離れた後、今後の10年を定義する重要なトレンドを見つけ出し、その分野でトップの投資家になろうと考えた。
VC業界ではここ10年で、Ribbit Capital(リビット・キャピタル)がフィンテック分野に特化して、Coinbase(コインベース)やNubank(ヌーバンク)、Robinhood(ロビンフッド)らを支援し、ミッキー・マルカを、フォーブスが発表する世界のトップ投資家ランキング『Midas List(ミダスリスト)』の上位に押し上げた。暗号資産分野ではParadigm(パラダイム)がChainalysis(チェイナリシス)やUniswap(ユニスワップ)らを支援した。
そして、ここ数年の生成AIブームの中でバーナルは次の時代を定義する若手の投資家を探し当てた。それがConviction(コンビクション)創業者のサラ・グオだった。
大手VCのGreylock(グレイロック)の若手パートナーだったグオは、OpenAIがChatGPTをリリースする直前の2022年10月に、自らが率いる人工知能(AI)に特化した1億1500万ドル(約180億円)のファンド立ち上げを発表した。彼女が初期投資を行ったCognition(コグニション)、Harvey(ハーヴィー)、Mistral(ミストラル)、Sierra(シエラ)などのAIスタートアップの評価額はすでに数十億ドル規模に達している。
「グオがAI分野で最も賢く、最も優れたネットワークを持つ投資家の1人であることは明らかだった」とバーナルは語る。
そう語る彼もまた、セコイアに在籍中にClay(クレイ)やNotion(ノーション)、Rippling(リップリング)、Verkada(ベルカダ)などのユニコーンを支援したことで知られている。グオは、バーナルをコンビクションの2人目のパートナーに迎え入れた。彼らは先日、2億3000万ドル(約360億円)規模の第2ファンドで資金調達を完了したことをフォーブスに独占的に明かした。