インフレ対策で存在感増すディスカウント店
インフレに疲れ果てた消費者は、購買習慣を変えつつある。今年、新規出店数が最も多く見込まれているのはディスカウント店だ。皮肉なことに、ディスカウント店は閉鎖店数でも新規出店数でも2024年に最多を数えた。大型ディスカウント店も規模を拡大する。ウォルマートは今年30店舗、コストコは14店舗を新たに出店する計画だ。食料品部門ではアルディが引き続き出店をリードしており、昨年の121店舗に続き今年は170店舗を新規出店する予定である。
ネット通販が加速する店舗閉鎖、SheinとTemuの影響も
消費者がオンラインショッピングの利便性と価格優位性を魅力とみる傾向は続いている。実店舗を持たない小売業者は、米国勢調査局によると2019年には全体の21%(自動車・自動車部品、ガソリンスタンド、外食を除く)だったが、2023年には28%に、今や29%にまで増えた。すなわち、これまでと今後予定されている店舗閉鎖の多くは、小売業者の物理的な店舗面積の調整ないし適正化といえる。コアサイト・リサーチはまた、中国発のオフプライスプラットフォームであるShein(シーイン)とTemu(テム)がアパレル以外の商品も取り扱うようになり、量販店や他分野の小売業者のシェアを奪っているため、eコマース市場で競争が激化していると指摘している。