収益性を回復させるためのカギ
ディズニーのストリーミング事業におけるマーケティングコストは、プラットフォームが成熟するにつれて低下傾向にある。ディズニーはまた、Disney+、Hulu、ESPN+をバンドルして月額17ドルという低価格で提供している。このバンドル戦略は、コスト削減に役立つと同時に、ネットフリックスには真似できないクロスセリングの機会を生み出す可能性がある。また、ディズニーがストリーミング事業に対して行う投資は、競合よりも長い生涯価値を持つと考える。月額利用料のみでコンテンツ投資を収益化するネットフリックスとは異なり、ディズニーは劇場事業、テーマパーク、グッズ、ライセンス事業など、より大きなバリューチェーンを持っている。複数のプラットフォームでコンテンツを収益化できるディズニーは、より高いコンテンツ支出を正当化できる可能性があるのだ。
ディズニーがもつ膨大な知的財産も、同社にとって重要だ。ディズニーは、『マーベル』や『スター・ウォーズ』といった有名シリーズや、ピクサーなどのアニメーション資産を有している。同社の映画スタジオは2024年にかけて堅調な勢いを見せ、『モアナと伝説の海2』、『インサイド・ヘッド2』、『デッドプール&ウルヴァリン』の3作品が世界興行収入10億ドル(約1600億円)を突破した。『ライオン・キング』の前日譚にあたる『ライオン・キング:ムファサ』も7億ドル(約1100億円)を超える大ヒットとなった。このような映画製作の好調により、ディズニーのストリーミング・プラットフォームには高品質なコンテンツの安定したパイプラインが確保され、その地位はさらに強化されるはずだ。
過去4年間におけるディズニー株の値動きは一貫しているとは言い難く、年間リターンはS&P500よりも変動が大きい。ディズニー株の年間リターンは、2021年はマイナス15%、2022年はマイナス44%、2023年は4%、2024年は24%であった。
私たちは、ディズニー株の目標株価を、現在の株価より約21%高い130ドルと算出している。
(forbes.com原文)