どうにかならないのだろうか。この調査を監修している日本東洋医学会漢方専門医で埼玉医科大学非常勤講師の齋藤晶氏は、こう話す。
これほど多くの人が不調を感じているのは、日常的にスマホやパソコンの画面を見る現代の環境の変化によるもので、それが眼の疲れ、肩こり、頭痛、倦怠感をもたらす。おまけに、気候変動が自律神経を乱す。日照時間も影響する。日光を浴びる時間が減ると、体内リズムが乱れ、睡眠障害や気分の落ち込みを招く。
気象の変化に合わせて心身も変化するというのが漢方医学の考え方だ。気象が激しく変動すると心身が追いつかずに不調になる。低気圧が接近すると、普段は溜まらない場所に水分が溜まって体が重くなったり、頭痛、むくみ、関節の痛みなどが生じる。これを「水毒」と呼ぶと齋藤先生。つまり、名前があるからには「なんとなく」ではない。ちゃんと治療法が存在するというわけだ。
齋藤先生は、十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事を基本としつつ、たとえば低気圧の接近時には胃腸の機能が低下しないよう、冷たいものを控えて運動で汗をかくなど、季節に合わせた対策が大切だと指摘している。また、なんとなく不調でも医師に相談するよう進言している。関係ないと思えるような症状も医師に話すことで、隠れている病気がわかったり、治療方法がみつかることがあるからだ。漢方医学では、体力を補う、体を温める、気圧の変化に対応するといった、西洋医学にはないアプローチによる治療も可能とのこと。
さらに、気象の変化で症状が出ない人も、この調査結果を見て、「悩んでいる人が多いことを知ってもらえれば幸い」だと先生は話す。それが、悩んでいる人のイライラ感や不安感の軽減につながるということだ。
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