健康

2024.12.30 12:00

長生きしたいなら「自転車通勤」するべき 18年間の研究で明らかに

自転車通勤する人は早期死亡率が低い(Shutterstock.com)

自転車通勤する人は早期死亡率が低い(Shutterstock.com)

多くの億万長者が長生きしたいと望んでいる。彼らの中には、あらゆる奇妙な治療法や健康法、生活改善策に大金を投じている人もいる。しかし、寿命を延ばす最善の方法のひとつは、ほとんどすべての人が実行可能で、しかも大してお金もかからない。それは「自転車通勤」である。

スコットランドの成人8万2297人を対象とした18年間にわたる最新の研究結果が、このことを証明している。この研究では、座って通勤・通学する人に比べて、自転車で職場や学校に通うと、全死因死亡リスク、何らかの理由で入院するリスク、心血管疾患に罹るリスク、がんによる死亡リスクがすべて低下し、精神衛生状態も改善されることがわかった。

徒歩による通勤も寿命が延びるが、自転車通勤ほどではない。

医学誌『BMJ Public Health』に掲載されたこの研究によると、自転車通勤は「(多くの人々にとって)日常的な身体活動を増加させるための最も現実的で持続可能な方法」であるという。

この研究結果は、過去に行われた他の長期的な研究の結果とも一致する。2017年に医学誌『British Medical Journal』に掲載された、英国の通勤者26万3450人を対象とする5年間にわたる研究では、毎日自転車に乗ることで、何らかの原因によって死亡するリスクが41%減少し、がんと心臓病の発症率がそれぞれ45%と46%減少することが明らかになった。他の大規模な研究でも同じ様な結果となっている。

健康における自転車に乗ることの好影響を調べた同様の長期的な研究が、コペンハーゲン人口推計研究センターによって行われた。1万3375人の女性と1万7265人の男性を対象にした数年間にわたるこの研究では、多くの人が研究期間中に死亡しており、その年齢も記録されている。これによると、通勤などで日常的に自転車に乗っていた人は、より長生きであることがわかった。

研究報告の著者であるラース・ボー・アンデルセンは次のように述べている。「この大規模研究の主要な発見は、性別・年齢を問わず、余暇の運動を調整に入れても、通勤の移動に自転車を使用している人は死亡率が低いということだ。通勤に自転車を使用していなかった人は、自転車通勤していた人よりも、死亡率が39%高かった」

長生きしたい億万長者は、宇宙船ではなく自転車に乗ったほうがいい。

forbes.com 原文

翻訳=日下部博一

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