ロシア軍は短時間の間に、重量45tのこの英国製車両を少なくとも6回攻撃した。車両は損傷したが、撃破は免れた。乗員も生き延びられた可能性がある。
これは運がよかったという面もあるだろうが、同時に、最も多く最も耐久性のある榴弾砲を持つ側がたいてい戦闘に勝利する戦争において、砲を遮蔽・防護することの重要性をあらためて示す出来事にもなった。
1990年代に開発され、英国がウクライナに少なくとも50門の供与を表明しているAS-90のひとつが繰り返し攻撃を浴びたことは、17日かそれ以前にソーシャルメディアで共有されたロシア側の ドローン映像で明らかになった。
Just to understand how much firepower Ukrainian forces are facing daily on front - AS-90 SPA was first targeted by artillery, then targeted by 2 FPVs, then by counter-battery fire, followed by more FPV strikes and finally hit by Lancter munition attack. The vehicle still survived pic.twitter.com/PRAgulxbhz
— B-AREV (@trip_to_valkiri) July 17, 2024
煙と粉塵が収まると、AS-90はほとんど無傷のままだった。ロシア側はまた砲撃し、FPVドローンを飛ばした。それから、ランセット自爆ドローンで攻撃し、被弾させた。
連続6回の攻撃のあと、AS-90は激しく損傷したようだが、爆発・炎上はしなかった。そのため乗員は脱出し、徒歩で逃れる機会があったとみられる。
ロシアによるウクライナに対する戦争では両軍とも数千門の大砲類を配備しており、毎日その一部が攻撃を受けている。ロシア軍は2022年2月の戦争拡大時点で大砲とロケット発射機を計5000門・基保有していたが、これまでに3分の1近くを失った。ウクライナ軍は大砲とロケット発射機を2000門・基弱保有していたが、2年5カ月の間に500門・基ほどを失った。AS-90も少なくとも7門撃破されている。
損失を補うために、双方とも新しい大砲やロケット発射機を製造しているほか、長期保管していた古い在庫を引っ張り出している。ウクライナ側は、支援諸国からも大砲類を数百門取得している。