Highmarsed(@HighMarsed)によると、比較的新しい戦車を大量に失ってきたロシア軍は今後、1960年代に開発された古いT-62戦車を保管施設からさらに多く引き出さざるを得なくなりそうだという。
「わたしの考えでは、今後、ロシア軍ではT-62が増えていき、おそらく主要な戦車のひとつになるでしょう」。Highmarsedは、屋外施設に置かれているT-62の在庫と、より古いT-55戦車、より新しいT-72戦車やT-80戦車、T-90戦車の在庫を比較考量し、そう推測している。
重量37t、乗員4人のT-62は在庫が豊富なうえ、より新しい戦車に比べて構造がかなりシンプルなため再整備も経済的という利点がある。Highmarsedは、ロシアはシベリアの第103装甲修理工場などでT-62の「大規模な改修能力を構築したようです」とも言及している。
より厚い装甲、125mm主砲、自動装填、乗員3人のT-72やT-80、T-90から、より薄い装甲、115mm主砲、人力装填、乗員4人のT-62への退行は、損害がますますかさんでいるロシア軍にとって不吉な兆候だ。
なぜこうした状態になったのかは数字が示している。ロシアが2022年2月にウクライナに対する戦争を拡大したとき、ロシア軍には後期型のT-72がおよそ2100両、T-80が500両、T-90が400両配備されていた。
だが、ウクライナ軍の地雷やドローン(無人機)、大砲、対戦車ミサイルによる損害は甚大だった。アナリストたちの集計によると、ウクライナで撃破されるか遺棄されるか、もしくは鹵獲(ろかく)されたロシア軍の戦車は、累計でおよそ3000両あまりにのぼる。戦争拡大前に保有していた戦車の数とほぼ同数の戦車を、わずか2年数カ月で失ったということだ。損失は、T-55やT-62のように戦争拡大後ほどなくして保管施設から引っ張り出され始めた古い戦車よりも、比較的新しい戦車に偏って多い。