欧州

2024.07.22 09:30

最新戦車3両やオートバイ含むロシア軍の「玉石混交」部隊が突撃、玉も石も砕け散る

重量46〜47tほどで乗員3人のT-72B3Mは、ロシアで2種類しか生産されていない戦車のひとつだ。もうひとつはより重量のあるT-90Mで、ロシアの産業界による両戦車の年間生産数は500〜600両とみられている。これはほかのどの国と比べても格段に多い数だが、年1200両ペースのウクライナでの損失を補うには少なすぎる。

足りない分を埋めるために、ロシアは1950年代のT-54/55、1960年代のT-62、1970年代の旧型T-72、1980年代のT-80といった古い戦車の在庫を長期保管施設から引き出している。

戦争拡大前に3000両規模だったロシア軍の戦車戦力で旧世代の戦車の割合が高まるにつれて、新造のT-72B3Mは珍しいものになってきている。そのT-72B3Mを今回のように一度に何両も撃破されるというのは、ロシアにとってとくに手痛い損失だろう。

失敗したこの突撃に参加した装甲兵員輸送車が、戦車よりも少なかったらしいのは示唆的だ。ロシアは戦車の補充に苦労しているが、装甲兵員輸送車や歩兵戦闘車(IFV)の補充にはもっと苦労している。

オートバイに乗る兵士がいたのも、そうした事情が関係していると考えられる。ロシア軍で装甲車両はだんだんと希少で貴重なものになってきており、トラックや民生用の全地形対応車(ATV)、オフロードバイクが代わりに使われるようになっている。

これらの車両もまた、少なくとも戦車や装甲兵員輸送車と同じくらい迅速に破壊され、ばらばらにされている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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