欧州

2024.07.17 11:00

ロシア軍が「ゴルフカート」5台で突撃、案の定の惨事に 車両劣化で人的損耗に拍車

Shutterstock.com

ウクライナ北東部ハルキウ州のクプヤンシク方面で15日かその少し前、ロシア軍の歩兵を乗せた全地形対応車(ATV)、俗称「ゴルフカート」少なくとも5台による攻撃があった。ウクライナ側はいつものように、脆弱なこれらの車両を爆破し、攻撃を停止させ、おそらくロシア兵多数に損害を与えた。

ウクライナ軍の第4独立戦車旅団や第30独立機械化旅団などが守るクプヤンシク周辺の陣地に対するこの攻撃からも、ロシアがウクライナで拡大して2年5カ月近くたつ戦争でロシア軍の人員の損失がますます増えている理由がうかがえる。

装甲車両の損失がかさみ、新造車両や古い在庫の改修車両による補充が追いついていないロシア軍は、中国製のデザートクロス1000-3ATVや中国製もしくはベラルーシ製のオフロードバイクなど、本来は民生用の車両をますます多くの部隊に配備するようになっている。

だが、塹壕に陣取り大砲やドローン(無人機)の支援を受けるウクライナ軍部隊に対して、ATVやオートバイに乗るロシア軍部隊が勝てる見込みは薄い。ロシア軍の損耗人数がこのところ、過去最悪レベルを記録しているのは理由がないことではないのだ。英国防省は先週、ウクライナでのロシア軍の1日平均死傷者は5月に1262人、6月も1163人と、この戦争で最も多くなっていると報告している

英国防省によると、ロシア軍の損耗人数は両月の合計で7万人を超える。この間、ウクライナ軍の損耗人数がそれよりはるかに少なく抑えられているのは明らかだ。

ロシア軍には、ケージ装甲を取り付けたATVオートバイ登場しているが、あまり役に立っていないようだ。むしろ、こうした追加防護を施すと、もともとパワー不足の車両はさらに遅くなり、ウクライナ側の火力をいちだんと浴びやすくなるだろう。一方のウクライナ側は、米国からの支援が4月末に再開したことで、砲弾や対戦車ミサイルが前線部隊に潤沢に供給されるようになってきている。
次ページ > ロシア側は圧力を増しているが、戦術的な成功を十分に生かせられなくなっているとの分析

翻訳・編集=江戸伸禎

ForbesBrandVoice

人気記事