ウクライナには、欧州の支援諸国から計85機のF-16戦闘機や12機前後とみられるミラージュ2000-5戦闘機など新たな航空機が届くことにはなっている。問題は言うまでもなく、これらの戦闘機もまた、白昼に露天駐機すれば同様にロシア側のドローンやミサイルの襲撃を受けやすいことだ。
ウクライナ軍は通常、最も重要な航空基地には地対空ミサイルシステムを何重にも配備する。だが現在、ウクライナ空軍や陸軍は、都市、大勢の部隊が集結した場所、ミルホロドやポルタバ、ドルヒンツェベのような前線近くにある飛行場などを同時に空からの攻撃から守るのに苦慮している。
ウクライナ軍はどうも都市の防空を優先し、航空基地の防空を薄くしたようだ。ポルタバ航空基地にイスカンデルが撃ち込まれる前、監視ドローンは3時間も滞空していて、一般のウクライナ人も地上から目視できた。ウクライナ軍にそれを撃墜する手段がなかったのは明らかだ。
援助は来ようとしている。米政府は3日、23億ドル(約3700億円)規模の新たなウクライナ向け軍事支援パッケージを発表した。米軍の在庫から供与される兵器には、ホーク中距離地対空ミサイルシステム用のミサイルなどが挙げられている。さらに米国の兵器メーカーから購入する分には、パトリオット長距離地対空ミサイルシステム用のミサイルや、NASAMS中距離地対空ミサイルシステム用のミサイルが含まれる。
ただ、ウクライナに新たに届くこれらの防空兵器も、航空基地ではなく都市の防御に振り向けられるかもしれない。アントニー・ブリンケン米国務長官は「投資が行われるような地域は防空体制をしっかり整えなくてはいけない」と語っている。
(forbes.com 原文)