欧州

2024.06.28 16:00

ロシア軍の精鋭空挺旅団が壊滅か 北東部ボウチャンシク

Shutterstock.com

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ロシア軍が5月9日の対独戦勝記念日に合わせてウクライナ北東部で始めた攻勢は、ウクライナ側の国境地帯を広く深く占領して、国境から40kmのハルキウ市に重砲を近づけることが狙いだったのかもしれない。あるいはもっと野心的に、ハルキウ市自体に進軍することまで司令部は目論んでいたのかもしれない。

だが、どちらも実現しなかった。攻勢開始から2週間のうちに、ロシア軍のおよそ3万人規模の攻撃部隊は国境から数kmの小さな都市ボウチャンシクで行き詰まった

そしてこのほど、ウクライナ軍の機械化旅団や海兵旅団、空中強襲旅団など数個旅団の一部からなる防御部隊は、ロシア軍の精鋭空挺旅団を撃破したもようだ。

ウクライナの有名な通信員、ハンドルネーム「ニコラエフスキー・バニョク」(編集注:テレグラムではロシア語で投稿している)の報告によると、ロシア空挺軍の第83独立親衛空中襲撃旅団は3週間にわたる展開で大きな損害を出したあと、ボウチャンシクから撤退した。

バニョクは「第83空中襲撃旅団は戦闘能力を回復するため、全体が緊急に後方に引き下がった」と書き、「人員の損耗が多すぎて、彼らは戦うことができない。『500』があまりに多い」と続けている。

「500」というのは、ロシア軍の用語で戦闘を拒む兵士を指す番号だ。

事実だと確認されれば、7個の連隊や旅団で構成されるロシア軍の新編北部集団軍にとって痛ましい損失になる。ボウチャンシクでのロシア軍の損耗は、さらにかさむ可能性もある。1個大隊(数百人規模)の生き残った兵士らが、2週間にわたり、市中心部にある骨材工場で身動きがとれなくなっているからだ。

孤立したこの部隊はもう長くはもたないかもしれない。ウクライナ空軍はこの工場を精密滑空爆弾で爆撃し、徐々に瓦礫に変えている。

第83空中襲撃旅団は、2022年2月の戦争拡大前に4万人規模の兵力だったロシア空挺軍の十数個旅団のひとつである精鋭旅団だ(少なくとも以前はそうだった)。数年前の2019年には、軽量の装甲車両をパラシュートで投下して戦闘に入る演習も行っていた。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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