ドウヒンツェベ空軍基地でウクライナの軍用機がドローン攻撃を受けたのは、3週間で2回目だ。9月19日にあった攻撃では、ミコヤンMiG-29戦闘機が損傷したか破壊されていた。今回のSu-25がおとり用に放置された機体だったのでない限り、ウクライナ空軍が前回の経験に学んでいないのは明らかだ。
ロシア軍の2機目のドローンが攻撃の瞬間を捉えている。白昼、屋外にとめられたSu-25に、ランセットが狙いすまして突っ込んでいる。
#Ukraine: A Ukrainian Su-25 close air support aircraft was destroyed by a Russian Lancet loitering munition at the airfield of Kryvyi Rih.
— 🇺🇦 Ukraine Weapons Tracker (@UAWeapons) October 10, 2023
This is the second aircraft known to be targeted on this airfield by Russian loitering munitions. pic.twitter.com/5E2RuBZPNb
前線から70km以内にある飛行場を使うウクライナ空軍の連隊にとって、イズデリエ53が深刻な脅威なのは今や明白だ。また、前線近くの基地にウクライナ空軍がどんな防空システムを配備しているにせよ、それが十分でないということもはっきりした。
これらの拠点では重量約11kgのランセットの突入だけでなく、その自爆攻撃をモニターしている偵察ドローンの活動も許しているからだ。
ウクライナ空軍には対応する時間やチャンスがまだある。ミグ1機とスホーイ1機の損失は大惨事というほどではない。ウクライナの支援国側は、今回分を含め、戦闘での損失を埋め合わせるのに十分な数のMiG-29やSu-25の供与を表明している。
ウクライナ空軍が、ロシア軍による爆撃回避のために100機規模の前線の攻撃用ジェット機を分散させるのに長けていることも思い出したい。こうしたやり方でウクライナ空軍の飛行連隊は、ロシアがウクライナで拡大して1年9月目になる戦争を生き延びてきた。
とはいえ、ウクライナ空軍司令部は航空機の分散では明らかに、長距離ミサイルによる脅威の軽減を第一に考慮してきた。この脅威はウクライナや北大西洋条約機構(NATO)の監視システムによって着弾の数分前に検出され、通知される。だが、70kmほどしか離れていない場所から自爆攻撃のために飛んでくる小型ドローンの場合は、そうした事前の通知はほとんど、あるいはまったく得られない可能性がある。
ウクライナ側は、駐機している軍用機はその間ずっと隠しておく必要がある。前線に近い基地で短距離の防空システムを増強することも求められる。
ウクライナの軍用機に対するロシアの弾薬の脅威は、和らぐこともなければ途切れることもなく、昼夜を問わず続く。ウクライナ側がこの新たな真実を受け入れなければ、今後も貴重な軍用機を使い捨てドローンの攻撃で失い続けることになりかねない。
(forbes.com 原文)