宇宙

2024.06.25 18:30

月が土星と接近、「夜光雲」が輝く今週の夜空

明るい夜光雲の中のネオワイズ彗星(C/2020 F3)。2020年7月(Alan Dyer/VW PICS/Universal Images Group via Getty Images)

夏至からわずか数日後となる今週は、日没が2024年で最も遅い。星空観賞には向いていないと思うかもしれないが、実際には違う。星を見るのに十分な暗さの空は、真夜中近くまで起きていないと見られないが、夕暮れ時には、欠けていく凸月(満月と半月の間)が土星と海王星に近づくすばらしい景色を見せ、北の空には「夜光雲」も現れる。

今週の夜空で見るべきものを以下に記す。

 6月26日(水曜日):ファルコンヘビーロケット打ち上げ

この日、スペースXのロケット、ファルコンヘビーがフロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられる。そこにはNASA・NOAA(米国海洋大気庁)の気象衛星、GOES-U(近々GOES-19に改名)が搭載され、赤道上の高度3万5786kmの軌道へと運ばれる。GOES-Uは米国の気象予報のためのデータを供給するだけでなく、太陽のコロナ(皆既日食の時にのみ地球から見ることのできる謎に満ちた高温の外気)を記録するコロナグラフを搭載し、太陽物理学者らがより正確にコロナ質量放出を予測し、その結果太陽からやってくる太陽風を予測する手助けをする。

NASAとスペースXは、東部夏時間6月25日午後5時16分(日本時間26日午前6時16分)から2時間の打ち上げウィンドウ(発射時限)を目標にしている。正確な発射時刻をスペースXのX(旧ツイッター)フィードで確認したら、スペースXのYouTubeチャンネルでライブ中継を見よう。 

6月28日(金曜日):月が土星、海王星と接近

28日の未明から明け方にかけて、輝面比63%の欠けていく凸月(今月、地球に最も近い)が、土星と大接近する。東には火星と木星も現れる。月は前日の22時58分(東京)に昇る。

オーストラリア東部とニュージーランド北東部では、月が「輪のある惑星」土星を隠す惑星食が数時間にわたって見られるとIn-The-Sky.orgはいう。

この日は太陽から8番目に位置する惑星、海王星も月に接近する。ふだんは観測することの難しい海王星を見る絶好のチャンスだ。望遠鏡が必要だ。
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翻訳=高橋信夫

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