宇宙

2024.06.25 18:30

月が土星と接近、「夜光雲」が輝く今週の夜空

明るい夜光雲の中のネオワイズ彗星(C/2020 F3)。2020年7月(Alan Dyer/VW PICS/Universal Images Group via Getty Images)

6月29日(土曜日):最も暗い夏空

北半球では夜が短くなって星空観賞が難しくなってくる。しかし、少なくとも月は邪魔にならないところにある。赤道より北では、月の出が真夜中過ぎとなり、この日に半分だけ照らされた下弦を迎える月は、毎夜約30分ずつ遅く昇るようになる。

6月30日(日曜日):国際小惑星デー

この日は国際小惑星デー(アステロイドデー)だが、それが宇宙の危険な岩石が地球に向かっているという意味ではないことを願おう。今年、チリ・パチョン山に建設されたヴェラルービン天文台のファーストライト(初観測)が予定されている。同天文台は、広角カメラを配置してリアルタイムで夜空をマッピングし、科学者たちがまだ知らない何千もの小惑星を発見する手助けをする。

今週の肉眼で見る天文現象:夜光雲

今週、星空観賞の時間は夕暮れ時がほぼすべてなので、この時間を最大限に活用しよう。6月と7月、赤道の両側の緯度50度から70度の間の地域では、夕暮れの北の空に「夜光雲」が輝く。上空約80kmの氷のちりからなる地球上で最も高高度に発生する雲だ。
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肉眼または双眼鏡で見るのがベストだ。1年のこの時期に夜光雲が見られるのは、それを照らす太陽が、地平線の下深くに沈まないからだ。

今週の双眼鏡で見る天体:ヘルクレス座球状星団

今月の夜空に理想的に配置されているのがM13、通称「ヘルクレス座球状星団」だ。目を見張るような光景を、双眼鏡または小型望遠鏡で見ることができる。北半球から見える最も近くて最も明るいこの球状星団は、地球からおよそ2万5000光年離れている。

球状星団は100億年前の古い星々から成り、天の川銀河の外側に形成され、今は銀河ハローの中を周回している。M13は、知られている150個の球状星団の1つであるが、観測するには最高の1つだ。ほぼ天頂(真上)の、明るい恒星、ベガとアルクトゥルスの間を見てみよう。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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