ウクライナの調査分析グループ、コンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)の言葉を借りれば、ウクライナ軍の「緊急対応旅団」である第47独立機械化旅団を投入したのだ。志願兵だけで構成される第47旅団は北大西洋条約機構(NATO)の教官の訓練を受け、米国製のM1エイブラムス戦車やM2ブラッドレー歩兵戦闘車、M109自走榴弾砲を配備されている部隊だ。
第47旅団は先週、ロシア軍の第30独立自動車化狙撃旅団がオチェレティネを制圧し、ウクライナの支配地域にナイフにように突き刺さる長さ8kmほどの突出部を獲得するのは阻めなかった。それでも、求められたことはしっかりやった。緊急事態に対処し、この突出部が南へ大きく広がるのを食い止めたのだ。
とはいえ、2000人規模の第47旅団もこれまでに非常に大きな犠牲を払っており、休息や補充、再編を切実に必要としている。
実のところ、第47旅団は4月20日前後、休息のため戦線から離脱して後方に移動していた矢先に、元の陣地にロシア軍の第30旅団から攻撃を仕掛けられたのだった。オチェレチネを含む作戦区域の旅団を統括するドネツク戦術集団は、第47旅団に引き返して戦闘に復帰するよう命じた。
第47旅団のミコラ・メリニク中隊長は「仕事に戻りました」と報告している。旅団はいつものように、機動力の高いM2を走らせ、ロシア側の陣地に25mm機関砲を撃たせているようだ。
だが、メリニクは旅団が疲れ切っていることも強調し、部隊は「回復に専念するつもりでした」と吐露している。
第47旅団は昨年6月、南部反攻作戦を主導したが、ロシア側の稠密な地雷原にぶつかり、甚大な損害を被った。メリニクは片足を失った。