16日、ソーシャルメディアで共有されたウクライナ軍のドローン映像やそのスクリーンショットにも、大きな屋根に覆われたロシア軍戦車の姿が映っている。本体はT-62、T-72、T-80、T-90のいずれかの戦車の通常型だろう。ここ数週間でウクライナの前線に登場した3両目の亀戦車であるこの戦車は、ウクライナ東部ドネツク州クラスノホリウカ周辺のウクライナ側の陣地を攻撃したもようだ。
この亀戦車には、「甲羅装甲」以外にも目を引くものがあった。もうひとつのドローン対策として、複数のジャマー(電波妨害装置)のかたまりが甲羅の上に張り付いていたことだ。
Video of an armored assault by Russia's 5th Motorized Rifle Brigade on Krasnohorivka, and another appearance of a tank with a massive counter-FPV shelter and EW jammer, which continues to driving after a DPICM strike. It looks like the lead tank in the first video has a… pic.twitter.com/fQk3FN6ymx
— Rob Lee (@RALee85) April 16, 2024
ジャマーをはじめ、ロシア側が開発する新たな電子戦システムに、ウクライナ側は重大な関心を寄せている。新たなジャマーは機能するのか、機能するとすればどのようにかをウクライナ側は知りたがる。
ドネツク州リマン近郊の村テルニの東で今月、ジャマーを山のように積んだロシア軍のT-72が動けなくなったとき、ウクライナの精鋭部隊であるウクライナ国家親衛隊第12特務旅団アゾフ(通称アゾフ旅団)は、3夜にわたる襲撃を敢行してこの戦車をどうにか鹵獲し、ジャマーを調査している。
FPVドローンの飛行を妨害するジャマーと、妨害を突破したドローンの爆発物を車体の外で爆発させる装甲を備えていれば、亀戦車は理屈としてはウクライナ側のFPVドローンに対してかなりの防護力を得られると考えられる。ウクライナ軍はFPVドローンを月におよそ10万機投入し、連日、ロシア軍の歩兵を何十人と殺害し、装甲車両を何両も破壊している。