だが、もしウクライナ軍の指揮官たちが米国の「裏切り」に対する怒りに駆られ、アウジーイウカで本格的な逆襲を仕かけようとすれば、第3強襲旅団に大惨事をもたらしかねない。
カーネギー国際平和財団のロシア専門家であるマイケル・コフマンらは先月末の論評で「主導権を握るための戦いは、主導権を握ったあとにそれを利用するリソースがなければ、ほとんど意味がない」と指摘している。
「理屈で言えば、局所的な攻勢はロシア軍への圧力を維持し、ロシア軍の行動の自由を制約することになるが、実際はウクライナ軍の戦闘力の再建に支障をきたしかねない」とも警告している。
疲弊した第110旅団の生き残った将兵らは、アウジーイウカ東部から撤退する際に第3強襲旅団から掩護射撃を受けており、その積極的な戦い方に感謝しているに違いない。
だが同時に、指揮官たちが運任せで第3強襲旅団に前進を命じないことも望んでいるはずだ。第3強襲旅団はウクライナにとって必要な戦力である。ウクライナ軍にはとても保持できない廃墟化した都市の半分を取り戻す戦いに、この旅団を浪費できるほどの余裕はない。
(forbes.com 原文)