サイエンス

2024.02.11 12:00

人はなぜ「嘘をつく」のか? 嘘の種類と心理的影響を研究結果から解説

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嘘の「隠れたコスト」を明らかにする

嘘をつくという行為は、人のウェルビーイングに少なからぬ影響を及ぼす。研究によると、真実を隠す傾向のある人は、自分のついた嘘に心を奪われやすく、より強いネガティブな感情を抱きがちであり、人生や人間関係の満足度が低いことが明らかになっている。
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嘘をつく人は、嘘をついた相手が真実を知るかもしれない、という不安に心を占領されてしまう場合がある。そうした不安は、罪悪感や被害妄想、あるいは自身の誠実さや嘘をつかれた相手との人間関係に及ぶ欺瞞の影響などに起因していることがある。発覚に対する不安の大きさは、自分のついた嘘にどれくらい心を奪われるかや、その結果として感じるネガティブな感情の大きさに影響を与え得る。

2023年の研究では、嘘をつくことの心理的影響が検証された。その結果、嘘をついた人は、以下の点で、自分の嘘の影響を受けることがわかった。

・自己肯定感の低下:嘘をついた人は、真実を話した人よりも自己肯定感が低下した。また、嘘をついた日のその人の自己肯定感は、前日や平均的な自己肯定感の水準に比べて低くなった。
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・ネガティブな感情の増加:嘘をついた人は、真実を話した人に比べて、いら立ち、後悔、不安、みじめさ、罪悪感、きまりの悪さ、恥、怒りといったネガティブな感情を強く感じることがわかった。

・ポジティブな感情の減少:この研究では、ネガティブな感情の評価に加えて、嘘をついた人のポジティブな感情も検証された。その結果、嘘をついた人は、真実を話した人に比べて、心地よさ、幸福感、安心感、誇りといった感情が少なかった。

嘘をつくことの心理的負担は深刻であり、ウェルビーイングのさまざまな側面に影響を及ぼす。そうした悪影響は、誠実さというものが、健全な自己意識や、他者との良い関係を保つ上で、重要であることを改めて浮き彫りにする。

嘘の誘惑に抗うのが難しい時もあるかもしれないが、自己認識を深め、専門家の助けを求めることで、その困難を乗り越えることは可能だ。

forbes.com 原文

翻訳=ガリレオ

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