米国から昨年200両近く供与され、ウクライナ軍の第47独立機械化旅団に配備されたM2の1両は、ロシア軍最高の戦車であるT-90に対して至近距離から25mm機関砲で数発射撃したあと、その場を離れて走り去る。バトンタッチされた2両目のM2が猛然と駆け出し、T-90に数十mの距離まで近づいて攻撃し始める。
2両目のM2は25mm機関砲で徹甲弾(装甲の貫通を目的とした砲弾)を連射する。惨事になりかけたのはその時だった。
砲手のセルヒーは地元メディアTCHのインタビューに答え「全力射撃しました。最初は対装甲(弾)で。でも、途中で問題が起きたんです」と語っている。
A more personal and detailed interview with the crew of the Ukrainian Bradley which took on a russian T-90M. Also goes over using American-supplied Bradley IFVs in conditions of the Ukrainian winter 💪 pic.twitter.com/GtSGt8Cxiq
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) January 19, 2024
「問題」の詳細は不明だが、徹甲弾が底をついたのかもしれない。いずれにせよ、使う弾を、徹甲弾よりも貫通力の劣る榴弾に切り替えざるを得なくなった。
セルヒーはT-90に徹甲弾を命中させていたが、追加装備の爆発反応装甲すら貫通していなかった。当然、数百mmの厚みがあるベースの複合装甲も貫通していなかった。これらの装甲や125mm滑腔砲を備えるT-90と比べると、M2は装甲もはるかに薄ければ砲も小さい。重量はT-90の50tに対してM2は30tだ。すべての条件が同じなら、M2はT-90にはまず太刀打ちできない。