欧州

2024.01.21 09:30

ウクライナ軍、ロシア軍車両を次々撃破 アウジーイウカ北方の村

Shutterstock.com

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ウクライナ東部ドネツク州アウジーイウカのすぐ北に位置するステポべ村は、小さなレースコースのような道路に囲まれている。

ロシアがウクライナで続ける1年11カ月にわたる戦争で、ここ最近起きた中では最も劇的な小競り合いの数々を捉えた映像をよく見てほしい。その多くは、この道路に沿って行われている。ロシア軍は、この道路を経由して戦車や戦闘車両をステポべに投入し、ウクライナ軍の待ち伏せを受けている。

2両の米国製M2ブラッドレー歩兵戦闘車がロシア軍のT-90戦車1両と相見え、機関砲で25mm弾を浴びせてT-90を撃破。その際、M2はこの道路を前後に行ったり来たりし、T-90の照準をかわした。

別の戦闘では、M2が最北の東西に走る道路に沿って進撃し、ウクライナ軍第109領土防衛旅団が動けなくしたばかりのロシア軍のBMP歩兵戦闘車3両を爆破した。重量30トンのM2が重量16トンのBMPに重さ450gある25mm徹甲弾を浴びせると、「くらえ!」と領土防衛旅団の兵士が叫んだ。

昨年10月以来、数区画ほどしかないこの場所で来る日も来る日も激戦が繰り広げられている様は、この戦争の状況を物語っている。ロシア軍は攻撃をかけているが、ほとんど前進できていない。言い換えると、戦いは陣地戦になっている。

陣地戦は、防衛に有利な場所を手にした側が優位に立つが、完全に一方的な戦いというわけではない。少なくとも1両のM2が、爆破されたロシア軍のBMPの残骸でほぼ埋め尽くされたステポべの北端の「車両の墓場」で撃破された。ウクライナ軍のT-64戦車もどうやらM2をけん引しようとしていた最中に被弾したようだ。

だが、ステポべとアウジーイウカでは、ウクライナ軍よりもロシア軍の方が装備と兵士を多く失っている。独立系オープンソースインテリジェンス(OSINT)サイト「オリックス」のアナリストによると、昨年10月中旬以降、ロシア軍はこの地域で少なくとも488の戦車や戦闘車両、りゅう弾砲、トラック、その他の重装備を失ったか放棄したという。

これに対し、ウクライナ軍の損失は37だ。もし兵士の犠牲が装備の損失に比例するとすれば(そうでないと信じる理由はない)、ステポべとアウジーイウカではウクライナ兵1人が死亡するごとに、13人のロシア兵が死亡していることになる。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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