「ビデオゲームをしていたので、(どうやったらいいか)全部思い出したんです」(セルヒー)
T-90の分厚い装甲を撃ち抜けなかったセルヒーは、この戦車の脆弱な部分である光学機器に狙いを定めた。
「ヤツ(T-90)の目潰しにかかったんです。逃げられなくようにするために」
今回の劇的な戦闘を撮影したドローン(無人機)の映像は、その様子と結果も捉えている。セルヒーはT-90に1lb(0.45kg)弾をたたき込み続け、爆発反応装甲の一部を起爆させ、光学機器も破壊している。
There are three things you can watch forever. Like this Ukrainian M2 Bradley IFV obliterating a «no-analogue» russian T-90M tank.
— Defense of Ukraine (@DefenceU) January 18, 2024
📹: 47th Mechanized Brigade pic.twitter.com/4NwvEryE3Y
制御不能に陥ったT-90は、砲塔を回転させながら木に衝突して止まる。乗員3人は脱出したものの、うち操縦士はウクライナ側の捕虜になったとされる。T-90にはFPV(1人称視点)ドローンでとどめが刺され、残骸は何日間も戦場に置き去りにされた。
M2のようなバランスの取れた歩兵戦闘車であっても、接近戦で戦車を仕留めるのは非常に難しい。しかし、セルヒーは臨機応変の戦い方でそれをやってのけた。どんな激戦でも装備と同じくらい技能が重要になるということを、あらためて示す一戦だった。(forbes.com 原文)