欧州

2024.01.23 09:00

「ビデオゲームでやった通りに」 ロシア戦車破ったM2歩兵戦闘車の砲手、内幕語る

米軍のM2ブラッドレー歩兵戦闘車。2016年9月、リトアニアのパブラデで(Karolis Kavolelis / Shutterstock.com)

だが、ステポベでのこの戦闘では、すべての条件が同じというわけではなかった。セルヒーは数週間前にドイツでの訓練を終えたばかりだったがとっさの機転を利かせた。
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「ビデオゲームをしていたので、(どうやったらいいか)全部思い出したんです」(セルヒー)

T-90の分厚い装甲を撃ち抜けなかったセルヒーは、この戦車の脆弱な部分である光学機器に狙いを定めた。

「ヤツ(T-90)の目潰しにかかったんです。逃げられなくようにするために」
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今回の劇的な戦闘を撮影したドローン(無人機)の映像は、その様子と結果も捉えている。セルヒーはT-90に1lb(0.45kg)弾をたたき込み続け、爆発反応装甲の一部を起爆させ、光学機器も破壊している。

制御不能に陥ったT-90は、砲塔を回転させながら木に衝突して止まる。乗員3人は脱出したものの、うち操縦士はウクライナ側の捕虜になったとされる。T-90にはFPV(1人称視点)ドローンでとどめが刺され、残骸は何日間も戦場に置き去りにされた。

M2のようなバランスの取れた歩兵戦闘車であっても、接近戦で戦車を仕留めるのは非常に難しい。しかし、セルヒーは臨機応変の戦い方でそれをやってのけた。どんな激戦でも装備と同じくらい技能が重要になるということを、あらためて示す一戦だった。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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