2. 子どもは「原因と結果の関係」を直感的に理解する
小さな子どもは、認知能力が未熟であるにもかかわらず、因果推論を必要とする課題をやらせてみると、優れた成果を上げる場合がしばしばある。年長の子どもや大人だったら見落としがちなパターンに、小さな子どもの方が気づきやすいのだ。それは彼らが、新しい仮説を前にしたときに、自らを制限せずに自由に可能性を探るからであることが、複数の研究で明らかになっている。それぞれのワーキングメモリ(作業記憶)や統合機能といった認知能力は、物事を推測しようとして情報を検討する際に影響を及ぼす。子どもは、自分が観察したデータの方にこだわりがちだが、それはおそらく、これまでの思い込みと、目の前にある証拠を統合することが難しいためだ。
それに引き換え、年長の子どもや大人は、入手したデータすべてを処理する能力が子どもより高いが、その一方でこれまでの思い込みの方を重視しがちだ。こうした思い込みが、目の前のデータと矛盾する場合には、より偏った推測が行われることになる。
こうした研究結果が示唆するように、子どもには因果関係について直感的に理解する力があり、大人はそこから学べることがある。特に学ぶべきは、新しい仮説に対して常にオープンな姿勢で取り組むことの重要性と、これまでの思い込みのせいで目の前の情報がかすんでしまわないよう注意することだ。
まとめ
赤ちゃんや幼児は並外れた学習能力をもつが、その理由の1つは、彼らの認知能力が制限されていることにある。逆に、大人である私たちは得てして、新しく何かを学ぶプロセスを必要以上に複雑なものにしがちであり、既知の情報が学習の妨げになり得ることを忘れてしまいがちだ。本当に重要なのは、何歳になっても学習は可能だと自信をもつことなのだ。(forbes.com 原文)