なぜ今でも多くの人が占星術を「信じる」のか、心理学な理由

星が私たちの行動を支配していると強く信じている人たちがいる(Shutterstock.com)

今なお続く占星術を巡る論争は、古代の信仰と現代の懐疑論の興味深い交差点だ。科学的論拠に重きが置かれる世界でも、星が人間の行動に影響を与えているという根強い信念は、人々の心を魅了し続けている。

しかしながら私たちは、心理学的研究を通して星占いを信じる人たちを駆り立てる複雑な動機づけを深く掘り下げることで、なぜ人はこの古い慣習を熱心に支持するのかを理解し、それらの人たちを識別する方法を明らかにできる。

占星術は何を教えてくれるか?

要するに、占星術とは天体と星座の位置と、それらが人間関係や自然現象におよぼすとされる影響を研究する学問のことだ。夜空の星や惑星のパターンは、占星術のストーリーに影響を与える目印だと長年考えられてきた。こうした宇宙の配置が、惑星が動く背景を提供し、占星術の解釈に奥行きと複雑さを加えている。

占星術では、黄道帯(黄道の上下9度ずつの幅をとった帯)が12の記号に分割され、それぞれが特定の星座に関連づけられている。12の記号はさらに4つのエレメントに分類され、それぞれのエレメントは3つの星座に関連づけられ、個人の性格と運命を形成すると信じられている基本的な性質とエネルギーを反映したシステムを作り上げている。

1. 火のエレメント:おひつじ座、しし座、いて座
2. 土のエレメント:おうし座、おとめ座、やぎ座
3. 風のエレメント:ふたご座、てんびん座、みずがめ座
4. 水のエレメント:かに座、さそり座、うお座

占星術の有効性を検証するためには、証拠と理論の相互作用を考慮することが不可欠だ。しかし、科学哲学の研究が指摘するように、何が疑似科学になるかを評価するためには、個人の行動を観察することが必要になる。

たとえば、個人の性格的な特徴に関する占星術の見解を疑うことなく認めることで、疑似科学的な方法で占星術に関わることができる。その一方、科学的アプローチでは、さまざまな主張を検証するために、占星術を厳密な実験の対象とする必要がある。

重要な点は、占星術は虚偽だと主張する確信は厳密な実験の遂行に基づいているということだ。占星術に関する自分の信念と予想を精査するために、そのような実験に積極的に関与する個人は、たとえその正当性に異議を唱える証拠の存在を知っているとしても、疑似科学的であるとはみなされない。
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翻訳=高橋信夫

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