なぜ人は占星術を信じるのか?
占星術への根強い信仰の背後には心理学、性格特性、社会的影響あるいは個人的嗜好といった要素を含む多面的な理由がある。占星術の疑似科学的な性質にもかかわらず、研究結果は占星術信仰の心理的基礎に関する興味深い見解を示している。Science Communicationに掲載された研究は、astrology(占星術)の「ology」という学問分野を表す接尾辞だけによって、被験者が占星術をより科学的であると評価する傾向を示したことを明らかにし、その言葉に対する解釈を混乱させている可能性を示している。天文学(astronomy)の持つ科学的らしさと占星術(astrology)にはポジティブな相関があり、2つの用語の混同をもたらしている。また、科学に関する知識と権威主義も、占星術の科学的な正当性についての認識に影響を与えている。
Personality and Individual Differencesの研究は、占星術を信じる人の急激な増加について調査されており、ナルシシズム(自己愛)と強い信仰の間に関連しており、さらに知性は信仰と負の相関関係にあることも発見した。これは占星術が個人の違いを魅力的にし、強固なものにすることも意味している。
しかし、占星術信仰のすべてが無知に基づくものではないようだ。European Psychologyに掲載された研究は、トラウマ的な出来事やストレスが多い状況に対処する際の占星術の役割を調べている。研究結果は、過去のトラウマに対する役割は小さかったが、急性のストレスへの対処には大きな影響があることが示したものだった。占星術のコースを受けた後に自制心の向上が見られたことは、ストレスの多い状況において占星術が意味のある説明を与え、コントロール感を促進することを示唆している。