キャリア

2024.01.03

プロジェクトマネジメントの極意 「誰が何と言ったら勝ちか」

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スタートアップを中心にビジネスのトレンドを、メールで隔週お届けしている「Forbes JAPAN Newsletter」。本連載では、その内容をピックアップして紹介します。

今回は、スタートアップのCxOを歴任した植野大輔さんによる「大胆不敵なキャリア戦略」コーナーで5回にわたって配信した「プロジェクトマネジメント」に関する記事を掲載します。

前編:AI時代にこそ重宝される 「プロマネ」人材になるための5つの武器


前回はプロジェクトマネジメントで必要な5つの武器のうち、1. ディシジョンデザインと、2. アジェンダマネジメントについてお伝えしました。

今回は残りの3つを解説します。

3. ワークプランニング

意思決定のための会議体を用意し、次回のミーティングで“決着”をつけるアジェンダが定まれば、次は、そこまでの時間を使って、検討や推進に取り組みます。

そこで絶対にやってはいけないのが、闇雲に突き進むこと。

「(特に関係部署からの)情報が集まらない」
「現場メンバーとのスケジュールが合わない」
「〇〇さんに事前確認できていない」

ということが起きて、会議前日に「とりあえず手元にある情報で、徹夜で何とか報告資料をまとめよう」となるのが、あるあるパターンです……。

そして、とても分厚くて意思決定につながらない資料を見せながら、助長な報告が行われる会議になってしまいます。

こうならないために極めて重要なのが、しっかり次の会議準備で何らかの結果を得るためのワークプランニング。

具体的には、
1. 必要なタスクを、正しく洗い出す
2. 時間読みをして、スケジュール化する
3. 逆算して、関係者へのリクエスト、アポイント取りにすぐ(←大事)動く
の3つをしっかりやることです。

上記のあるあるパターンに陥らないためには、自分都合だけでなく、多忙な相手都合を理解することが大切。会議が近づき、慌てて「時間ください」「資料をください」とならないよう、真っ先にリクエスト出し、アポ取りに動くことが大切です。

日々の仕事と異なり、時間の有限性があるのがプロジェクト。ワークプランニングがずさんでは、プロジェクトはスタートから瓦解します。「時間を制するものは、プロジェクトを制す」なのです。 

4. ファシリテーション

そして、ついにやって来た重要会議で、確実に決着をつける(つまり必勝!)ため、いかに会議をさばくかという「ファシリテーション」を解説します。

え、皆さん、まさか、直前まで説明資料の修正対応をして、時間になったら、慌てて会議室に移動なんてことはしてないですよね??

私の過去の典型パターンが、担当が会議前夜や当日朝になって、「資料を事前レビューしてください」とやってくるもの。この時、私は資料をいきなり見るようなことはせず、こう問います。

「この会議、誰と誰が、最後に何と言ったら、勝ちなんですか?」
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文=植野大輔

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