働き方

2024.01.05

面接の定番「自己紹介」を台本どおりだと感じさせない3つのポイント

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採用面接で聞かれる質問の中でも「自己紹介をしてもらえますか?」という問いかけは、応募者が最も恐れ、ぎこちなくなってしまうものの1つだ。そして皮肉なことに、面接者の側は、打ち解けた雰囲気を作り、双方が会話に入りやすくするための手っ取り早い方法だとの思いから、この問いかけを投げかけるケースも多い。

この質問は表面的には、これまでの人生を振り返って語ることを促されているように聞こえるかもしれない。だが、実際に面接者が求めているのは、応募者のこれまでの経歴を、募集されている仕事に関係がある部分についてのみ、簡潔に話すことだ。だが、1分未満の時間で、必要とされるポイントをすべて押さえて話をするにはどうしたら良いのだろうか?

個人的なことには過剰に立ち入らず、無駄に過去の失敗を暴露したり、取り止めのない話になったりするのを防ぎつつ、簡潔に自己紹介をするためには、回答にしっかりとした構成を与えるシンプルな枠組みが必要になるだろう。そして、自分について面接者に向けて語る際に最も適しているのは「自分のこれまで、現在地、今後向かう先」という3部構成だと思われる。

「これまで」のパートは、自身がこれまでに担った仕事の内容や実績、そこで学んだすばらしい教訓について振り返る機会となる。「現在地」は、現在の役職やその将来性、自分がもたらした貢献について語ることになるだろう。そして「今後向かう先」は、今後への抱負、募集されている役職に関心を持った理由、その役職が自身のキャリアパスと一致していることをアピールするパートだ。

では、この構成を用いて、中堅社員レベルの専門職に就いている応募者の回答例を作成してみよう。

「就職からしばらくの時期は、メディア業界の仕事に熱心に取り組み、さまざまなコンテンツの作成システムを開発し、高速化や質の向上を目指して改良に励みました。その後は複数の職種を歴任し、これがDEF社でのマーケティングマネジャーへの昇進につながりました。そして、わずか1年足らずで、ソーシャルメディアのエンゲージメントが317%増という成果を上げたことは、うれしい成果でした。

現在、私は6人構成のチームを率いる立場にあり、高ROI(投資対効果)なデジタル戦略を日々構築しています。私が目指すのは、より上の役職です。そこなら私は、さらに広範なデジタルイニシアティブを率いることができるからです。加えて、幹部の支援役となって、デジタル技術をビジネス戦略に組み入れるのをサポートします。さらに、新たに部署に来る才能ある若手に対しては、メンターの役割を果たすことができます」
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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