ほとんどの面接は「何か質問はありますか」というありきたりな言葉で締めくくられるが、あまりにも多くの求職者がこの貴重な機会を見逃している。それはともすればしっかり消毒されて念入りに取り繕われた企業のうわべを引き剥がし、組織の規範、見通し、士気を左右する文化的DNAを明らかにする好機なのだ。
確かに、完璧な質問などないし、面接官はどうしたって組織を最大限にアピールするものだ。だが、最低限の倫理観しか持たない面接官でさえ、それなりに真実を伝える責任感はいくらかあるだろう。面接官の言葉だけでなく、身振り手振り、声のトーン、熱意の有無や強さなどからも、多くのことが読み取れる。また、何が語られなかったか、どのような話題が避けられ、最小限に扱われたかに注目するのも重要だ。
これから面接を受ける先が避けるべき企業かどうかを見極めるには、次の5つの質問を検討してみてほしい。
1. 「御社の企業文化はどのようなものですか?」
シンプルで直接的なのは悪いことではない。この質問は、糸口としてあえてざっくりとさせてあり、求職者は面接官が何を重視して回答するかを観察できる。最高水準の卓越性と競争意識に焦点を当てるのか、まず従業員の福利厚生と包摂性について話すのか。後者の場合、それは通り一遍の言及なのか、それとも具体的な取り組みや事例について忌憚なく話ができるのか。弁護士で人事コンサルティング会社を経営するS・アン・メアリー・アーチャーは、差別的で敵対的な職場環境から自発的に脱出する方法を企業労働者に指南しているが、特に「社員は家族だ」と主張する会社について警鐘を鳴らしている。「家族を自称する会社は、境界線のない会社だ。『家族』のために働いているのだからと、残業手当なしに24時間働くことを社員に期待してくる。労働法や雇用法の抜け穴を利用して、違法なことをしがちだ。逃げろ!」
2. 「御社の環境で活躍するのはどんなリーダーですか? 活躍できないリーダーと対比して説明してください」
リーダーやリーダーシップのスタイルは、企業文化の良し悪しを大きく左右する。ほぼ間違いなく、組織はリーダーたちの口調、やり方、決断、期待を通じて日々強化される類いの文化を取り入れている。面接官の説明が正確なら、その会社のリーダーシップ哲学を知る手がかりになるはずだ。この手の質問の多くは、補足として「例を挙げてください」と聞くのが効果的だ。もし、その組織にエンゲージメントが高く協力的で共感力のあるリーダーがたくさんいれば、実例をいくつか挙げるのは難しいことではないだろう。しかし、もし面接官が実例を見つけるのに苦労しているように見えたら、回答の内容は社内の日常を反映したものというより、話の種である可能性が高いかもしれない。