サーモバリック弾を搭載したシャヘドは、テロ兵器として都市部の標的により大きな被害を与える可能性がある。確かにロシアは以前、アパートが立ち並ぶ区域をミサイルで攻撃したことがある。だが、冬の作戦の主な標的はエネルギーインフラ、特に変電所や変圧器、配電設備だ。
ウクライナの軍事ニュース専門サイト、ディフェンス・エクスプレスの記事では、新型弾頭がサーモバリック弾であったとの見方を否定。あらかじめ形成されたタングステン片を含む標準的な爆弾で、既存のロシア軍のミサイル弾頭から転用されたものだとしている。こちらの方が、電気設備を損傷させるのにはるかに適しているだろう。
ロシア軍も少数を使用している小型のシャヘド131には以前、はるかに高度な弾頭が搭載されていた。だが生産にかかるコストと複雑さのためか、生産規模を拡大して大量に使用することはなかったようだ。
空の攻防
ウクライナはシャヘドの大半を撃墜したと主張している。例えば今月6日に、飛来したシャヘド48機のうち41機を標的に到達する前に撃墜したという。成功率は85%だ(この数字の信ぴょう性は検証できない)。ロシア軍は目標に到達する割合を増やす方法を模索しているようだ。最新のシャヘドの一部には、ウクライナの携帯電話通信網に接続するためのウクライナの通信会社キーウスターのSIMカードとモデムが搭載されていることが明らかになった。これはシャヘドの飛行中、操縦士が標的の座標を更新できるようにするためかもしれないが、シャヘドの位置を追跡できるようにするのが主目的である可能性の方が高い。どの機体が標的に到達し、他の機体がどこで撃墜されたのかがわかり、それによりウクライナ軍の防空の分布を把握して次の攻撃時に防空が機能している箇所を回避することができる。
2. These drones had radar reflectors and could fly long distances. They were likely intended as false targets for Ukrainian air defense. They look like aircraft from 1914 and there was speculation that they were homemade.https://t.co/CM980sJ2HF pic.twitter.com/6OP0BBlDGA
— DanielR (@DanielR33187703) December 8, 2023