りゅう弾砲や発射機を扱う兵士らが大砲による反撃を避けるためには、移動し続けて身を隠す必要があると、南部での戦闘から学んだのかもしれない。米シンクタンクの戦争研究所は「(アウジーイウカ)地域で戦闘に従事しているとされるロシア軍の砲兵大隊の司令官は、ロシア軍は対砲撃戦に大きな注意を払っていると主張した」と指摘した。
「この地域で戦っていると主張する別の情報筋は、ロシア軍は電子戦システムを使用し、戦場での砲撃準備をしっかり行っており、司令部や突撃グループ、航空偵察、砲撃部隊の間で『明確なやりとり』をしていると報告した」(戦争研究所)
つまり、80年前のD-1がロシア軍の主力攻撃部隊の近くに出現したことは、ロシア軍が多くの大砲や発射機を失っていること、そして戦争が激化し、ロシアの産業界が重火器の需要を満たすのに苦慮している中で、戦場での損失を補うのに必死になっていることを物語っている。
だがD-1の古さと射程の短さは、ロシア軍の火力支援が全体的に崩壊していることを示すものではない。ロシアはまだ何千もの火砲があり、それらの活用方法も磨かれつつある。
また、弾薬の供給がひっ迫しているとはいえ、砲弾とロケットの生産と輸入により「ロシア軍は来年ウクライナで、2022年よりも相対的に低いレベルではあるが、十分な砲撃力を維持できるだろう」と戦争研究所は予測している。
(forbes.com 原文)