一番重要なチェックポイントは「かたち」です。うんちの形状は、国際基準で7段階に分かれていて、ウンログの基準だと「ころころ」「かちかち」が便秘になります。
便秘は、頻度ではなく形状が重要な要素です。例えば一週間に1回の頻度でも、ぶりぶりのうんちが出ていれば必ずしも便秘とは言えないんです。毎日出ていてもそれが「ころころうんち」であれば便秘かもしれません。
出典:「ウンログ」
理想的なうんちは、かたちが「ぶりぶり」「ほそほそ」「ふわふわ」。色味は黄土色、黄色や茶色に近い色で、量は一回の排便につき150g以上、バナナ1本分くらいです。匂いは特に刺激臭でなければ問題ありません。健康的な理想のうんちの基準を知ったうえで、ぜひ自分のうんちを観察してみてください!
とはいえ基本は「かたち」を見て、「ころころ」「かちかち」の便秘、「どろどろ」「びちびち」の下痢になったときは、直近の生活を振り返ってみると、その原因に気づくことができるはずです。
私たちは菌と生きている。腸内細菌の多様性を保つために“いいエサ”を与える
——自分の状態に気づいて、便秘や下痢を改善するために腸内環境を整えてたい!と思ったとき、何をすればいいのかも知りたいです。そもそも腸内環境ってなんなのでしょう!?腸内環境は主に「腸内細菌」と「腸の動き」によって成り立っています。腸内環境を整えるということは、イコール「腸内細菌の多様性を保つ」ことでもあるんです。大腸には、約1000種類、100兆個、重さにして1.5〜2kgの腸内細菌が生息していると言われていて。
わかりやすい概念として「善玉菌」と「悪玉菌」とその中間の菌たち(日和見菌)に分類されますが、腸内細菌は実に多様で、それぞれがさまざまな働きをしているんですね。短鎖脂肪酸やビタミンB群をつくるとか、免疫力を高めるとか。
腸内細菌は日々の食事から吸収した栄養素を餌にして、人の健康を保つために重要な働きをしている。僕らは腸内細菌に依存しながら生きているわけです。もともと住んでいる多様な腸内細菌に元気でいてもらうために、食べることで外部から取り入れる“いいエサ”を与えないと健康は保てない。腸内細菌のいいエサになるものを食べることで、菌を育てて多様性を保つ=腸内細菌を整えることができるんです。
腸内細菌が発酵するか、腐敗するか。人間にとって有益なものを出してくれるか、くれないか。その分かれ道になるのが、食べ物を通していいエサをあげられるかどうか、なんです。
——「何を食べるか」によって、腸内細菌の多様性=腸内環境が変わるわけですね。
はい。なので、腸内環境を整える第一歩は「食べるものの選択を変える」こと。具体的には、生きたまま腸に届き菌を増やす「プロバイオティクス」と、菌のエサになる「プレバイオティクス」をとることが、腸活にはベストな選択です。
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌に代表される「プロバイオティクス」は、いい菌を直接増やすことはできるけれど「助っ人外国人」と呼ばれ、体内にいるのは1〜2日ほどで居ついてはくれません。いい菌が増えるのは一時的なものなので、それだけでは効果が薄く、継続的にとらないと意味がないんですね。
だから同時に、もともと自分の腸に住んでいる菌(常在菌)にいいエサをあげて元気にしてあげることが大事!菌のエサになるのが、オリゴ糖や食物繊維に代表される「プレバイオティクス」です。