一緒にとることで効果抜群!
・プロバイオティクス(ヨーグルトなど)…生きて腸まで届き、菌の数を増やす。腸内には居つかない“助っ人外国人”
・プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維など)
…いいエサを与えることで、いい代謝物をつくる。菌の栄養源
なので、腸活にはヨーグルトだけでなく、食物繊維を摂取することが欠かせません。食物繊維には、水分を吸収して膨らみうんちのカサを増して腸を刺激する「不溶性食物繊維」と、腸内細菌の餌となって発酵を促す「水溶性食物繊維」があって、2:1の割合でとるといいと言われています。
どちらも含まれている食材が多いですが、例えば便秘の人が不溶性食物繊維をとりすぎると、うんちがカサ増しされて腸に滞留しやすくなってしまう。うんちが腸に滞留すると、菌が腐敗して臭いおならが出る。その場合は、水溶性食物繊維や水分を積極的にとる。かちかちうんちを溜め込まず、ぶりぶりのうんちをスルッと出すためには水分が必要です。
下痢の場合は、うんちのカサ増ししてくれる不溶性食物繊維を意識してとったほうがいいですが、過剰になっている腸内環境を落ち着かせて下痢を抑えるのに水溶性食物繊維も有効なのでどちらも良いですね。
「腸内細菌」と「腸の動き」を健全に!腸内環境を整える、食生活とは?
——毎日の食生活で、ヨーグルトとキウイやプルーンを合わせて食べるとか、白米を玄米や押し麦に変えてみるとか、いろいろ工夫ができそうです。「腸活」というと発酵食品がいいイメージがあるのですが……。発酵食品にはプレバイオティクスとプロバイオティクスが含まれているものがほとんどです。例えば白菜キムチは、発酵を行っていた乳酸菌がついている。しかも食物繊維もオリゴ糖といった菌のエサも残っているし、菌が発酵して産んでくれた必須栄養素なども含まれています。要は、体内でいいエサをあげて促していた発酵で得られる栄養素を、体外からそのまま取り入れることができるんですね。
野菜が育てられないグリーンランドのエスキモーたちは海鳥をアザラシの中に詰め込んで発酵させる「キビヤック」という発酵食品から必須栄養素をとって生きていると言われていて。それくらい発酵食品には、人の健康にとっていいものが含まれているんです。とはいえ、塩分が多いものも多いのでそれだけで生活するのは難しいですよね。
——味噌汁、キムチ、甘酒、納豆……ダイレクトにいい菌を届けられる発酵食品、積極的にとっていきたいものです。逆に腐敗を促す、控えた方がいいものはあるんでしょうか?
避けた方がいいのは添加物ですね。腸のひだが摩耗されて吸収できず、消化できない“ゴミ”のようなものが体内に溜まっていってしまうので。特に加工肉なんかは、腸内環境を悪化させる腐敗成分が出やすいと言われています。できれば肉も控える。日本人は穀物の消化に適した腸なので、肉の消化にあまり適していないらしいです。
それからIBSの人は、低フォドマップを意識することも重要です。人によっては、一般的にいいとされるヨーグルトやはちみつ、納豆などが腸の不調を引き起こしている可能性もあるので。
——ほかに日常の食生活で意識した方がいいことはありますか?
「腸の動き」においては、「食べ方」も重要です。口にものを入れた瞬間に胃酸が出て腸が働くので、胃に負担がかかると腸が敏感に反応して下痢をしてしまうことも。胃に負担をかけないようによく噛んで食べ、食べすぎない。朝一番に刺激的なものを入れずに白湯を飲む、とかですね。腸を動かすという意味でも、朝食は抜かずに食べたほうがいいと思います。