健康

2023.04.08

女性ホルモンの変化が不眠の要因に。眠りの「質」を改善する2つのポイント

生理前の寝つきが悪い。更年期を迎えてぐっすり眠れなくなった。妊娠中、昼間にどうしても眠くなってしまう。ぼんやりと「眠り」にまつわる悩みを抱いている人も少なくないと思います。

「月単位、そして生涯において変化する女性ホルモンは、睡眠にも影響しているんです」

そう教えてくれたのは、「いい眠り」を研究し、その成果をマットレスなどの商品開発に活かす「パラマウントベッド睡眠研究所」のみなさん。

睡眠にはどんな効果があるの? 女性ホルモンと眠りの関係性とは? そもそも「いい眠り」って? 眠りの質を向上するには? 今回はそんな「眠り」にまつわる話をお届けします。

わたしたちの脳と心身とつながる睡眠の効果

眠りは毎日のことだから、特別意識したことがない人も多いかもしれません。でも、健やかな心身を保つために、睡眠は重要な役割を果たしています。睡眠はどんな働きをしているのでしょうか。

お話を聞かせてくださった、パラマウントベッド睡眠研究所のみなさん

「身体面でいうと、深い眠りに入ったときに成長ホルモンが多く分泌されるので、傷ついた組織の修復に効果があります。紫外線を浴びて傷ついた肌を整える、腰痛などの痛みをやわらげるといったように。逆に睡眠が十分でないと、肌が荒れたり、傷が治りにくかったり、痛みに敏感になったりします。

学習面でいえば、睡眠は不要な記憶の消去、記憶の整理と固定を行っています。眠りには段階があって、脳が休息しているノンレム睡眠と脳が活動しているレム睡眠が交互にやってきます。ノンレム睡眠で不要な記憶を消して、レム睡眠で必要な記憶を索引をつけるように整理して、その記憶を固定する。なのでせっかく学習しても、睡眠が不十分だと記憶の整理と固定が十分にされず、忘れちゃうんですね。

精神面においても、ノンレム睡眠は精神的なストレスを軽減するために、つらく悲しい記憶を消す働きをしているので、心の安定にもつながります。睡眠不足になると、気持ちが不安定になったり、やる気がなくなったり、うつ病になりやすいと言われています。

ほかにも生活面で、睡眠が不足すると、生体リズムが乱れて、食欲が抑えきれなくなり太りやすくなる。集中力が低下して、ミスを起こしがちになることも。また、生活習慣病を引き起こしやすくなりますし、生殖関連では、男性は生殖機能が衰え、女性は流産率が上がると言われています。このように睡眠は、私たちの脳や心身と密接に関係しているんですね」(パラマウントベッド睡眠研究所 主幹研究員 椎野 俊秀さん)

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文=徳 瑠里香 撮影=川島 彩水

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