健康

2023.04.08

女性ホルモンの変化が不眠の要因に。眠りの「質」を改善する2つのポイント

いい眠りって? 自分の眠りを評価する

——そもそも、女性ホルモンを含む生体リズムを整える、「いい眠り」ってどんなものなのでしょう?

「眠りには二つの性質があって、その一つが睡眠も生体リズムの一つで体内時計が働いているので、夜は眠くなり、昼間は眠くならない。もう一つが、睡眠が不足しないと眠くならない、睡眠が不足すると眠くなるという眠りへの欲求です。その性質から導くことができる“いい眠り”は、日中に眠気が来ない睡眠となります。

理想の睡眠は、個人差はありますが、睡眠時間が7時間程度、寝つきまでの時間は10分程度で、中途覚醒があったとしてもまたすぐに眠りに入れること。ベッドに入って一瞬でバタンキューで寝てしまう人は、慢性的な睡眠不足の可能性が高いです。一瞬で寝てしまうのは、睡眠不足で眠りへの欲求が異常に高い状態であるからかもしれないので」(椎野さん)

——いい眠りによって生体リズムを整えていくために、まずは自分の眠りを知ること。とはいえ自分の眠りの評価をするのは難しいように思います。

「自分の眠りを評価するには、睡眠日誌を書くなど主観的なイメージである程度捉えることもできますが、最近は客観的なデータで判断できる機器も出てきているので可能な範囲で利用するとよいと思います。弊社パラマウントベッドでも、『ActiveSleepANALYZER』という睡眠計測センサーや眠りの点数をつけるアプリ(Active Sleep App)を開発しました。

マットレスの下に敷いたセンサーで、心拍、呼吸、体動を測って、睡眠時間、睡眠効率(ベッドにいる中でどれくらい寝ていたか)、中途覚醒、寝つき時間、離床回数の5つの項目で眠りを評価しています。たとえば、ある1日の睡眠時間が7時間でも前日が4時間であれば十分な睡眠を継続的にとれているとは言えないので、1日単位ではなく、一週間単位で見ていく必要があるんですね」(椎野さん)


主観的なイメージと客観的なデータからなる自分の眠りの評価には、男女差があるそう。

「パラマウントベッドの睡眠センサーで計測した客観的なデータによれば、40〜60代の睡眠スコアについては男性より女性の方が平均点は高いんです。でも、アンケートによる主観的なデータでは、男性のほうがよく眠れていると感じている。そのギャップが何からくるのかは解明されていませんが、実はよくある話で、女性のほうが睡眠の質に敏感で、悩みを持っている人が多いのかもしれません」(塩貝さん)
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文=徳 瑠里香 撮影=川島 彩水

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